建設・土木の生産支援クラウド「Photoruction(フォトラクション)」を運営するフォトラクションは、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)、GMO VenturePartners、DBJ キャピタル投資事業有限責任組合、SMBC ベンチャーキャピタル5号投資事業有限責任組合を引受先とし、総額7億6000万円の資金調達を実施したと発表した。建設業界における生産性向上をテクノロジーよって促し、建設DXを実現していくという。
フォトラクションは、2016年に設立。建設・土木の生産支援クラウドのPhotoructionは、大手ゼネコンをはじめ、10万を超える建設プロジェクトが利用している。オフィスやマンション、工場といった大型の建設現場で主に使われており、プロジェクト管理のほか、画像の外部共有、図面の位置指定などが可能。加えてデータをアップロードすると専用のオペレーターが業務を代行する建設特化のBPO(Business Process Outsourcing)にも対応する。
フォトラクション社内には建設技術オペレーターを抱え、建設業界に知見のあるスタッフが業務を請け負うことで、建設現場の人手不足をサポート。労働人口が100万人減ると言われる、「2024年問題」に真っ向から取り組む。
「Photoructionで蓄積したデータとBPOで培ったナレッジを学習させることで、AIを使ってオペレーションを自動化するAI-BPOを目指す。現場を包括的に支援できるオンリーワンツールとして打ち出す」とフォトラクション 代表取締役CEOの中島貴春氏は特徴を説明する。
今回調達した資金では、開発とカスタマーサクセス、採用と組織体制の強化をしていく予定。「Photoruction事業の拡大を推進する一方、現場での使いやすさを追求し、本当に使われるツールとして認知を高めていきたい。そのために重視するのは開発エンジニアやカスタマーサクセスチームのスタッフ。人に投資していく」(中島氏)と今後の体制を明確に描く。
中島氏は「AI-BPOは、まだきちんと確立されていない市場だが、根本的に人手不足を解決するソリューションになっていく。この部分に注力していきたい。AI-BPOでできることを増やして、幅広い業務に対応できるよう広げていきたいと思っている」とした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス