ウイルス対策ソフトウェアを手掛けるNortonLifeLockは米国時間8月10日、英国の同業Avastと合併すると発表した。取引は現金と株式を組み合わせた形で行われ、取引規模は81億~86億ドル(約8960億~9520億円)になる。
この取引規模は、Avastが持つ現金および負債に、8月10日時点のロンドン株式市場におけるAvastの終値(5.68ポンド)に基づく同社の時価総額(65億ポンド)を合わせた金額にほぼ等しい。
両社の取締役会は、共同プレスリリースの中で、今回の合併によって「両グループの確立されたブランド、技術、イノベーションを活用して、消費者、株主、その他のステークホルダーに大きな利益をもたらす、業界をリードする新たな消費者向けサイバーセーフティ事業を創出する」機会が生まれると述べている。
両社は、双方の製品ラインには補完関係ある部分が多く、両社のユーザーベースを合わせると5000万人以上に達すると述べている。合併後企業の地理的な市場カバー率も拡大する。また両社は、「総原価に関して年間2億8000万ドル(約310億円)の相乗効果」が得られると見込んでいる。
説明資料のスライドでは、Avastの株主に提示される株主投票の2つの選択肢についても説明している。Avastの株主は、株価相当額の31%を現金で受け取り、69%を株式で受け取るか、90%を現金で受け取り、10%を株式で受け取るかを投票で選択することができる。
NortonLifeLockの最高経営責任者(CEO)Vincent Pilette氏と最高財務責任者(CFO)Natalie Derse氏は、合併後もその地位に留まる。AvastのCEOであるOndrej Vlcek氏は、NortonLifeLockのプレジデントに就任し、取締役会にも加わる。Avastの共同創業者であり、現ディレクターであるPavel Baudis氏は、独立取締役として取締役会に参加する。
NortonLifeLockは、元々Symantecのコンシューマー向けセキュリティ技術部門だったが、2019年末に同社のエンタープライズ向けセキュリティ事業がBroadcomに買収された際に、Symantecから分離した。
Avastはセキュリティ企業で、コンシューマーや中小企業向けのセキュリティソフトウェアを提供している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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