新型コロナウイルスの感染拡大により、仕事は突然デジタルへの移行を余儀なくされ、Zoomが会議や協業のためのお決まりの手段となった。数カ月を経た今、デジタルな生産性ツールへの移行が定着するのは明らかだが、いわゆる「Zoom疲れ」も生じているようだ。
Slackは米国時間6月30日、そうした背景を考慮して、絶え間ないビデオ会議に終止符を打つ一連の新ツールを発表した。
新機能には、気軽に会話できるようにする「Slackハドルミーティング」や、新しい形の職場ディレクトリー「Slack Atlas」などがある。最高製品責任者Tamar Yehoshua氏によると、バーチャル本社でも、「物理的な本社を設計した時に意図したものと同レベル」の機能を提供すべきだという考えで開発されたという。
Slackハドルミーティングは、Slackでコミュニケーションをとるための軽量な音声ファーストの新機能だ。ユーザーは左のナビゲーションバーをクリックしてハドルミーティングを開始したり、チャンネルに表示されている進行中のハドルミーティングに参加したりできる。これは、ビデオ会議や電話をかける予定を立てるよりも、素早く簡単に、思いついた時にコラボレーションできるようにするのが狙いだ。発信して、相手が応答するのを待つ電話とは違い、すぐに会話を始められる。他の人も自由に参加して、退出できる。
「デスクワークをしている同僚の肩を叩いたり、廊下で何気なく立ち話ししたりするような感じだ」とYehoshua氏は説明する。「また特定のタスクのために、担当チームが素早く一斉に集まる際にも便利だ」
ハドルミーティングでは画面を共有できるほか、アクセシビリティー向上のために字幕をリアルタイムで表示することも可能だ。現在、最大50人が同時に参加できる。同社はExpedia、TIBCO、Dellなど、100社以上を対象にこの機能を試験的に導入しており、30日から有料プランの顧客に展開していく。
また、同社はSlackでネイティブにビデオ、音声、画面の録画を作成・再生する新たな方法も発表した。チームメンバーが録画した短いクリップをチャンネルやDM(ダイレクトメッセージ)にアップロードすると、他のメンバーは好きな時に見て、対応できる。
「対面でのミーティングをビデオに移すだけでは、うまくいかない。情報を表現力豊かに、非同期的に共有・消費できるようにすれば、人々の働き方を柔軟にして、ビデオ会議の必要性を減らすことができるはずだ」(Yehoshua氏)
例えば、マネジャーは週次ミーティングの代りに、月曜日にチームのSlackチャンネルに動画をアップロードできる。異なるタイムゾーンにいるチームメンバーは、都合の良い時間に動画を見て、チャンネルにコメントを残すことができる。リアルタイム字幕を見たり、自動的に文字化された内容を検索したりもできる。これらの機能は試験運用中で、今後数カ月のうちに有料プランの顧客に提供される。
また同社は新たに、社員名簿として機能するSlack Atlasを発表した。これは、同社が2020年7月に買収した従業員ディレクトリーの新興企業Rimetoの製品を統合したことで実現した。このツールにより、組織図や専門知識など、社内の従業員に関する情報を検索でき、組織内の全体像を把握できる。社内の複数ソースから情報を取り込み、名前をクリックするだけで情報にアクセスできる。Slack Atlasは現在、「Business+」「Enterprise Grid」プランを利用する一部の顧客に提供されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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