Amazonは米国時間6月30日、米連邦取引委員会(FTC)の新委員長に就任したLina Khan氏を、同社に対する反トラスト法違反の疑いをめぐる調査に関与させないよう求めた。AmazonはFTCに提出した申し立ての中で、同社に対するKhan氏の過去の批判には、同氏はこの案件を公平に扱うにはあまりにも偏見が大きいことが示されていると主張した。この件については、The Wall Street Journal(WSJ)がいち早く報じていた。
「合理的に考えれば、同氏はもはや、反トラスト法をめぐる当社の抗弁を偏見のない心で考察することはできないという結論が得られる」と、Amazonは申し立ての中での述べた。
Amazonに対する調査を続けているFTCは、コメントを避けた。Khan氏は15日、上院の承認を経てFTC委員長に就任した。同氏はエール大法科大学院に在籍していた2017年に、Amazonによる反競争的な慣行の可能性を取り上げた、「Amazon's Antitrust Paradox」(Amazonの反トラスト・パラドックス)という論文を発表している。同氏はこの論文の中で、現行の米国の反トラスト法の枠組みは、オンライン小売とクラウドコンピューティングを中心とする複数の業種にわたって支配力を握る同社が引き起こす害に、適切に対応していないと主張していた。
AmazonはKhan氏のOpen Markets Instituteでの取り組み、法律ジャーナルに掲載された論文、下院反トラスト小委員会で実施したAmazonの反トラスト法違反に関する調査を挙げて、同氏が「先入観に基づく視点」を持って職務に就いたと述べた。
「Amazonを含むすべての大企業が、綿密な調査を受けるべきだ」とAmazonの広報担当者は述べ、「しかし、大企業であっても公平な調査を受ける権利がある」とした。
折しも米議会では、超党派議員によって5つの反トラスト法改正案が提出されている。これらの改正案は大手ハイテク企業の慣行を標的にしており、そのうちの1つである「American Innovation and Choice Online Act」は、Amazonを標的にしたものとみられている。この法案では、Eコマース企業が自社のプラットフォームを利用して、同じウェブサイトを利用するサードパーティーベンダーの商品よりも自社商品を優遇することを禁じている。また、Eコマース企業がそれらの他の企業からのデータを利用して、自社製品を開発することも禁止する。反トラスト法を順守していると主張しているAmazonだが、その両方に関与しているとして批判されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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