ロボコム・アンド・エフエイコムは6月29日、次世代型デジタルファクトリー「ロボコム・アンド・エフエイコム南相馬工場」を6月28日に福島県南相馬市で開所したと発表した。
ロボコム・アンド・エフエイコム南相馬工場の建設地である福島県南相馬市は、2017年に「南相馬ロボット振興ビジョン」を策定。ロボット産業を根付かせるため、復興工業団地内に、福島ロボットテストフィールドを設置するなどの取り組みを推進している。
同社は、2019年に復興工業団地立地企業第1号として、最先端技術・設備を導入したデジタルファクトリーを着工していた。ロボコム・アンド・エフエイコム南相馬工場では、ロボット自動化加工工場のほか、倉庫、展示場、会議室、ラボ、研修施設などを備え、ロボットシステム組立工場も予定する。
また、同工場では、「カーボンニュートラルを実現するエネルギーマネジメント」「販売から生産設備まで連動した生産システム」「生産を停止させない工場のネットワークセキュリティ」などに取り組むという。
カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、自家消費型太陽光発電システムや産業廃棄物計量システムの導入、製品単位での原単位管理によって、CO2排出量約3000t/年の削減を実現する。
販売から生産設備まで連動した生産システムでは、AIを活用した自動見積もりなどを活用し、変種変量・短納期生産に対応。
生産管理システムや最新のCAD/CAMシステムおよび、デジタル上に構築された仮想生産ラインによるシミュレーション、統合MES(製造実行システム)などが生産設備とシームレスにつながり、生産設備や製造製品の情報がシステムにフィードバックされることで、デジタルツインを実現。自律制御された完全無人エリアを含む、全体最適化された工場を可能としている。
生産を停止させない工場のネットワークセキュリティでは、基幹システムのコアネットワークレベルと工場内の生産ネットワークレベルの二段階でネットワークセキュリティを構成。外部・内部からの攻撃に対してのセキュリティを強化した。
加えて、デジタルとリアルの融合により実現した24時間完全無人化ラインを備え、次世代型モノづくりの基幹工場となるデジタルファクトリーとして稼働を開始する。
同工場では、ハイエンド機器を多数導入し、加工部品の変種変量・短納期生産を実現。また、ロボットによる工程の自動化をスムーズにできる半完成品「ロボットシステムパッケージ」についても開発・生産する。
これまで、大手企業でしか導入できなかった自動システムの導入コストと維持管理コストを下げ、中小企業でも導入可能なパッケージとして提供していくという。
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