EC開設サービス「STORES」などを展開するヘイは6月15日、ECと一体化したレジアプリ「STORES レジ(ストアーズレジ)」の提供を開始した。
STORES レジは、STORESと連携したPOSレジアプリで、実店舗とEC上の商品登録、売上管理、在庫管理を統合できるのが特徴。STORESをすでに利用している店舗であれば、スムーズにPOSレジを導入できるほか、EC・実店舗それぞれで商品が購入されると、リアルタイムで在庫数が反映される。キャッシュレス決済サービス「STORES 決済」などヘイの他のサービスとも連携可能だ。
料金プランは、無料のフリープランと、月額2178円のスタンダードプランの2つ。すでにSTORESを利用しているユーザーであれば追加費用なしでPOSレジが利用できるようになる。フリープランは単体で利用でき、専用のレシートプリンター、キャッシュドロアーとも連携できる。ただし、バーコードリーダーで商品を読み取りたい場合のみ、スタンダードプランを選択する必要がある。
アプリには、画像つきの商品ボタンが並んでおり、タップするだけで会計に追加可能。画面には、ECで購入された商品が確認できるタブもあり、迅速な配送に役立つという。在庫はリアルタイムで反映され、もし店舗側で在庫が底をつくと、EC側は自動で「SOLD OUT」が表示される。在庫は店舗内で在庫を管理している際に便利な「共通在庫」と、EC用の在庫を倉庫などで管理している場合に便利な「個別在庫」から選べる。
また、所用などで一度離脱した客の会計内容を一時保存する機能もあり、待たせることなく次の客の会計作業に進めることができる。蓄積した購買データは、専用のダッシュボードで閲覧でき、各商品の売上などが確認可能。今後、CSVデータとして書き出す機能も実装予定という。
なお、POSレジやキャッシュレス決済を提供するSquareも、無料のEC作成サービス「Square オンラインビジネス」を2020年10月に国内でも提供を開始。Squareは決済・POSレジユーザー向けにEC開設サービスを、ヘイはEC開設サービスユーザー向けにPOSレジを提供と、経路は異なるがサービスの全体像は似ている。ヘイ取締役CPOの塚原文奈氏は、豊富なEC機能をリーズナブルに提供しているのに加え、管理画面もシームレスに使える点を競合にない強みとして挙げている。
コロナ禍の影響を受け、中小・個人でビジネスをしている事業者の多くは販路拡大のためにECを開設する、マルチチャネル化の流れが起きている。一方で、実店舗とEC間の売上・在庫管理の煩雑さが事業者の負担になっていると同社では指摘する。在庫が連動していないことで、「発送する商品がない」という状況を回避すべく、EC側の在庫数を実際よりも少なく設定したり、常に売れ行きを見ながら手動で調整しているのが実態という。STORES レジはこうした課題をデジタルで解決する。
ヘイ代表取締役社長の佐藤裕介氏は、「日本は中小企業が人口比率で高い。68.8%が中小企業。人口減のなか国内総生産を上げるには中小企業のデジタル化が必要」としつつ、「大企業のDXは(取り組みが)たくさんあるが、中小個人は進んでいない。ここを頑張っていきたい」と、STORES レジを含む、STORES各サービスで中小ビジネスのデジタル化を支援していくと述べた。
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