「個」の時代と言われて久しい。だが、「個と言われても自分に特別な個性はないし……」という人も多いのではないか。要約者もそのひとりだ。他人の目を引く個性はないと自覚しており、特別にやりたいこともない。本書は、そんな「個」の時代にどう生きていくべきか迷っていた要約者に、ヒントを与えてくれた。
著者である井上大輔氏は本書で、「マーケターとして生きる」ことを提案している。「マーケターとして生きる」とは、自分を表現するよりも「相手からスタートする」マーケター視点を持って生きることだ。相手が何を求めているかに思いをめぐらせ、それに応えるためにできうる限りのことをすればいい。そうして相手の期待に応え続けることで、強く求められる存在になれる。周りの人から求められる存在になることは、ひいては際立った「個」を確立することにつながる。
本書では、これまでユニリーバ、アウディ、ヤフーでマネージャーを歴任し、現在はソフトバンクの広告部門でマーケターを務める著者が、マーケター視点を持つための方法を指南してくれる。具体例や図が豊富に含まれており、マーケティングに親しみのない読者にとっても理解しやすいつくりになっている。
本書はマーケティングのコンセプトをキャリア・人生戦略に持ち込んだ点で異色だ。従来のキャリア本は基本的に「自分スタート」な本が多いだけに、それらとはまた違った視点でキャリアを考えられる良さがある。「個」の時代の振る舞いに悩んでいる人に一読をおすすめしたい。
今回ご紹介した「マーケターのように生きろ」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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