ニューヨーク州司法長官の報告によると、米連邦通信委員会(FCC)がネット中立性をめぐる規則作りの際に受け取った2200万件を超えるコメントのうち、1800万件近くが捏造だったという。それだけではない。この中には、米国の大手ブロードバンド企業から資金提供を受けたコメントが多数あった。
米国時間5月6日に公開されたこの報告書は、2017年に「規則作りのプロセスについてまわった不正」の概要を説明したものだ。FCCは当時、開かれたインターネットの維持を目指したオバマ政権時代の規則を廃止しようとしていた。結局、FCCは同年のうちにこの規則を撤廃した。
報告書には、「連邦および州の当局は、公衆衛生や消費者保護から環境まで、われわれの生活のさまざまな側面を左右する基準を設定する際、パブリックコメントを利用する。今回のケースでは、インターネット上のコンテンツの共有と消費のありかたを定める規則だった。パブリックコメントは、議員や議員が制定する法律にも影響を及ぼす」とある。
報告書によると、資金を出したブロードバンド企業(社名は明かされていない)は、ネット中立性撤廃への「支持を捏造」する「秘密キャンペーン」のことを直接知っていたわけではない。キャンペーンは、レポートで「lead generator(リードジェネレーター)」とされているところが組織した。
もっとも、捏造コメントを生み出したのはブロードバンド企業だけではなかった。報告書では、ネット中立性を支持するコメントを770万件送信した、コンピューターサイエンスを専攻する19歳の大学生が取り上げられている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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