次に月面着陸を果たす人物は、月まで行くのに米航空宇宙局(NASA)だけでなく、Elon Musk氏および同氏が創設した宇宙開発企業SpaceXの力を借りることになる。
NASAは米国時間4月16日、アルテミス計画の有人着陸システム(HLS)開発を委託する企業としてSpaceXを選定したと発表した。アルテミス計画は、アポロ計画の終了以降で初めてとなる宇宙飛行士を月に送り込む計画を、今後10年以内に実現することを目指しており、これには人類で初めて女性を月面着陸させる計画が含まれる。
SpaceXはすでにそのような宇宙船の構想を持っており、この任務のために開発を進めている。それが次世代の宇宙船「Starship」で、すでにテキサス州ガルフコーストにあるSpaceXの開発施設から何回か劇的な試験飛行を実施している。これまでのところ、Starshipは高高度飛行を経て着陸段階で爆発する事態が続いているが、Musk氏は悲観していない。
Starshipは宇宙飛行士を月に運ぶだけでなく、さらに多くの人間を火星など他の惑星にも運べるよう設計されており、Musk氏は人類が「多惑星種族」になることを期待している。
SpaceXは、Jeff Bezos氏が創設した航空宇宙企業Blue Originやアラバマ州を拠点とする軍事および宇宙関連企業Dyneticsを抑えて、NASAの巨額契約を29億ドル(約3150億円)で落札した。
NASAの声明によると、アルテミスの宇宙飛行士らは、少なくとも最初のうちは、Starshipに乗り込んで地球から月面を目指すわけではないという。4人の宇宙飛行士はNASAの宇宙船「Orion」に乗り込み、長く打ち上げが延期されているNASAのロケット「Space Launch System(SLS)」で打ち上げられ、数日かけて月軌道に到達する。NASAは月の軌道上に小さな宇宙ステーション「Lunar Gateway」を建設する計画で、これは月面飛行の前哨基地として機能する。
宇宙飛行士らは月の軌道上で待機するStarshipに乗り換えて月面に向かい、一定期間にわたって探査した後、月の軌道に戻り、Orionに乗って地球に帰還する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?