ソニーは4月14日、5G対応スマートフォン「Xperia 1 III」「Xperia 10 III」を発表した。発売は2021年初夏以降を予定しており、国内ではNTTドコモ、au、ソフトバンクが6月中旬以降に発売するとしている。
Xperia 1 IIIは、同社のフラッグシップモデル。OSは、Android 11。SoCは、Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platformを採用。RAMは12GB、ストレージは256GBと512GBの2種類で、最大1TBのmicroSDXCスロットを搭載する。5Gは、Sub6だけでなくミリ波帯に対応。ディープラーニングで無線環境の変化を予測して、自動で4G/5GとWi-Fiを切り替える「スマートコネクティビティ」を強化している。
ディスプレイは、世界初のリフレッシュレート120Hz駆動に対応した4K HDR有機ELディスプレイ(3840×1644ピクセル、アスペクト比21:9)を搭載。ソニーのマスターモニターを手がける部門が監修した色設定「クリエイターモード」を搭載。ITU-R BT.2020の色域、10bitに対応した独自の画像処理により、映像制作者の意図した色表現が可能としている。ディスプレイは、出荷時にキャリブレーションを施すことで、色ズレを補正する。
スピーカーは、音響構造を進化させた新スピーカーを搭載し、最大音圧を約40%向上。低音性能を強化したほか、筐体振動を抑えることで、クリアな定位を実現。臨場感や迫力が増し、映画などの対応コンテンツで没入感のある映像視聴が可能という。また、「Dolby Atmos」にも対応。ソニー・ピクチャーズと協業し、独自のチューニングを実装しているという。内蔵の3.5mmオーディオジャックは、有線ヘッドフォン使用時の最大音圧を約40%向上。大音量再生時の歪みを軽減している。
今回、ヘッドフォンだけでなく内蔵スピーカーでも「360 Reality Audio」をサポート。新たに「360 Spatial Sound」に対応し、「TIDAL」など一部サービスで、通常のステレオ音源から、立体的な音場を擬似的に作り出せるという。音楽ストリーミングサービスなどのさまざまな音源をハイレゾ相当に再現する「DSEE Ultimate」も搭載する。
ゲーム性能にも注力。120Hzと黒挿入機能を組み合わせた240Hzの残像低減技術により、ゲームコンテンツをクッキリ映し出せるという。さらに、240Hzタッチスキャンレートや、ゲーム内の暗い部分を明るくして敵を見つけやすくする「L-γレイザー」を搭載。さらに、Qualcomm Snapdragon Elite Gamingとのコラボにより、独自のチューニングを実装。アスペクト比21:9と120Hzに対応したモバイル向けFPS「Call of Duty:Mobile」などが快適にプレイできるという。
バッテリーは4500mAh、30WのUSB-PD充電で、最短30分で約50%まで充電可能。また、独自の充電最適化技術と、「いたわり充電」により、バッテリーの負荷を軽減。3年使っても劣化しにくい長寿命を実現するという。ワイヤレス充電「Qi」にも対応し、他のQiデバイスに給電する「おすそ分け充電」をサポートする。本体サイズは、約165mm×約71mm×約8.2mm。重さは約188g。指紋認証に対応するほか、おサイフケータイも利用可能だ。カラーは、フロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3種類(au、ソフトバンク版はフロストブラックとフロストパープルの2種類)。IPX5/IPX8の防水性能、IP6Xの防塵性能を備える。
カメラは、4眼構成。16mm(F2.2)の超広角レンズ、24mm(F1.7)の広角レンズに加え、世界初の可変式望遠レンズを搭載。1つのレンズで、70mm(F2.3)と105mm(F2.8)の焦点距離をカバーする。「AI超解像ズーム」を使うことで、300mm相当に拡大することもできる。すべてのカメラは約1220万画素のイメージセンサー(広角レンズのみ1/1.7インチの大型センサーを搭載)とツァイスレンズを採用する。被写体までの距離を測定する3D iToFセンサーも内蔵する。
247点の測距点を持ち、高精度に被写体を追従する「リアルタイムトラッキング」や、人物や動物の瞳にフォーカスし続ける「リアルタイム瞳AF」をサポート。AF/AE追従で最大20コマ/秒の高速連写に対応。AF/AE演算は最大60回/秒を実現しており、1コマにつき3回演算できるため、より精度の高いAFを実現する。そのほか、光学式手ブレ補正を強化した「FlawlessEye対応のハイブリッド手ブレ補正」を搭載。暗所で歩きながらの動画撮影でも、ブレを抑えることができるという。
静止画アプリとして、「Photography Pro」を搭載。同社のミラーレスカメラの使い勝手を踏襲した「プログラムオート(P)」「シャッタースピード優先(S)」「マニュアル露出(M)」「メモリーリコール(MR)」「オート(AUTO)」のモードダイヤルを搭載。RAWフォーマットにも対応する。シネマティックな映像を記録できる「Cinematography Pro」も搭載。4K HDR 120fpsのスローモーション撮影や、録音時に風雑音を除去する「インテリジェントウィンドフィルター」が利用可能だ。
なお、海外ではXperia 1 IIIの性能をコンパクトボディに収めた「Xperia 5 III」も発表されている。1 IIIと同様、Snapdragon 888や、105mmまでの可変式望遠レンズ、4500mAhバッテリーを搭載しつつ、約6.1インチのフルHD+ディスプレイに小型化している。その代わり、3D iToFセンサーが省略されているほか、RAMは12GBから8GBに削減など、一部でスペックが異なる。
Xperia 10 IIIは、アスペクト比21:9の6インチHDR対応有機ELディスプレイを搭載した5G対応ミッドレンジスマートフォン。SoCは、Qualcomm Snapdragon 690 5G Mobile Platformを採用。RAMは6GB、ストレージは128GB。最大1TB対応のmicroSDXCスロットも備える。こちらも、スマートコネクティビティをサポートするほか、他社製スマートフォンからの乗り換え時に写真や動画を転送できる「Xperia Transfer 2」を搭載する。
カメラは、3眼タイプ。約800万画素の16mm超広角レンズ、約1220万画素の27mm広角レンズ、約800万画素の52mm望遠レンズを搭載しており、最高10コマ/秒の連写機能も搭載。ナイトモードに対応するほか、オートHDRにより、逆光時でも白飛びや黒つぶれが少ない写真が撮れるという。動画撮影は、21:9のアスペクト比に対応するほか、4Kの撮影が可能。電子式手ブレ補正も利用可能だ。
Xperia 10 IIIも、DSEE Ultimateを搭載。3.5mmジャックも内蔵しており、有線ヘッドフォンを接続可能。バッテリーは4500mAhで、充電最適化技術といたわり充電で、3年使っても劣化しにくい長寿命を実現している。本体サイズは、約154mm×約68mm×約8.3mm。重さは約169g。IPX5/IPX8の防水性能、IP6Xの防塵性能を備える。そのほか、指紋認証、おサイフケータイなどに対応。ワイヤレス充電はサポートしない。
国内キャリアではNTTドコモとauが6月中旬以降での取り扱いを発表。カラーは、ブラック、ホワイト、ブルー、ピンクの4色だ。
【追記:4月15日7時】auとソフトバンクに続いて、NTTドコモも15日0時に「ドコモ スマートフォン Xperia 1 III SO-51B」「ドコモ スマートフォン Xperia 10 III SO-52B」の販売を発表した。
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