エイベックス・テクノロジーズ(ATS)は4月13日、デジタルコンテンツの著作権などの情報を一元管理する著作権流通システム「AssetBank(アセットバンク)」を、国内11社のコンテンツ企業連合で運営するブロックチェーン団体「Japan Contents Blockchain Initiative」のブロックチェーン上にプレローンチしたと発表した。
同社は、テクノロジーを活用したIPの創造を目指し、エイベックスが2019年5月に設立。2019年7月にブロックチェーン技術を活用し、デジタルコンテンツに証明書を付与することで本物の価値を証明する「A trust(エートラスト)」を開発しており、クリエイターの権利を保護することで、新たな市場の創出を目指してきた。
その上で、デジタルコンテンツを適切に流通させるためには、A trustで実現するコンテンツに対する証明機能に加え、IPホルダーが保有する権利を守りながら安心してデジタルコンテンツを流通させるソリューションが必要という考えのもと、AssetBankを開発。IPホルダーは、権利を守りながらコンテンツを流通できるようになるという。
従来、デジタルコンテンツは、その特性上コピーされやすく、違法コピーなどによるIPホルダーの権利侵害が問題となっていた。また、オリジナルとコピーの区別や本物の価値を証明することが難しく、デジタルコンテンツ市場の拡大の課題となっている。
昨今、それらの課題を解決するため、デジタルコンテンツに唯一性を持たせられるNFT(Non Fungible Token:非代替トークン)を活用する流れが急速に加速しているが、権利元の許諾のないNFTが勝手に発行されるなど、デジタルコンテンツを流通していく上で解決すべき課題も依然として存在していると同社は指摘。
IPホルダーは、楽曲・画像・イラスト・テキスト・3Dモデル・モーションデータなどをAssetBankに登録することで、デジタルコンテンツの権利の所在を明確化できるようになるほか、その権利を活用し、ライセンスビジネスを行うことで、新たな市場を創出できるとしている。
将来的には、登録された正規のデジタルコンテンツを活用した商品の販売も目指す。例えば、IPホルダーが登録したキャラクターのデジタルフィギュアについて、ECショップ運営企業が販売または、スマートフォンアプリ開発会社がデジタルフィギュアを使ったゲームを販売するといったことを想定しているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」