アドビの「源ノ角ゴシック」がバリアブルフォントに対応--ウェイトを自由に調整可能

 アドビは4月8日、グーグルと共同開発した世界初のPan-CJK(中国語、日本語、韓国語で共用できる)オープンソースフォント「Source Han Sans」のバリアブルフォント「Source Han Sans Variable」を発表した。GitHubからダウンロードできる。

 Source Han Sansは、日本語名では「源ノ角ゴシック」と呼ばれており、2014年にリリース。継続的にアップデートされており、日本語以外に韓国語、 簡体字中国語、繁体字中国語(台湾)、繁体字中国語(香港)に対応しているほか、Source Sansファミリーのラテン文字、キリル文字、ギリシャ文字のグリフを、日中韓のグリフとうまく調和するよう若干修正したものも含まれているという。


1つのフォントで日本語、韓国語、簡体字、繁体字に対応する

 今回のバリアブルフォント対応により、既存の7ウェイト(Extra LightからHeavyまで)以外に、最小値から最大値までの範囲内であれば、自由に設定できるようになる。デザインスペース全体を網羅する1ファイルでカバーできるだけでなく、ニーズに応じて微妙なタイポグラフィの変化を作り出せるなど、より細かなデザインコントロールが可能だ。


ウェイトを自在にコントロール

 また、バリアブルフォントはファイルサイズの削減も実現する。同社によると、Source Han Sans Pan-CJKフォントのグリフのフルセット(65535個)を収めたファイルサイズは大きく、ウェブホスティングなどでは扱いづらい場合があったという。地域固有のサブセットフォントを選択的に使用するという解決策もあるものの、効率的なホスティングには大きすぎるため、最初から複数地域を対象に文書やウェブサイトを提供したいユーザーには役に立たなかったとする。

 バリアブルフォントをサポートすることで、118MB必要だった1地域用の7つの全ウェイトが31MBに削減できたほか、「OpenType Collections(OTC)」という複数フォントを束ねるファイル形式を組み合わせることで、593.7MBだった非バリアブルフォント「Pan-CJK Source Han Sans 2.002」のフルセットを、OTCパッケージかつバリアブルフォント化で32.9MBに削減できるという。

 さらに、各地域のサブセットフォントの場合は、より小さくなる。例えば、日本語サブセットの7つのウェイトが独立した非バリアブルフォントのデータ量は32.1MBだが、1つのOTCファイルとしてパッケージしたバリアブルフォントは8.1MB。これを圧縮率の高いWOFF2形式にコンバートすることで、4.1MBまで圧縮できるという。

 なお、Source Han Sans Variableと同等のフォントは、グーグルからも「Noto Sans CJK Variable」として提供する。

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