ソニーネットワークコミュニケーションズは4月13日、ソニーのAI技術を活かした食事画像解析などの機能を組み込んだアプリの作成やサービス開発を支援するプラットフォーム「X.SINCE」の提供を開始した。
主に化粧品販売会社や食品メーカー、小売り事業者、保険事業者、フィットネス事業者、不動産事業者、ヘルスケア事業者などをターゲットにしたサービスだ。
生損保や化粧品、フィットネスなどの業界では、ユーザーと担当者間の接点が中心で、事業本部側はユーザーが自社の商品をどのように使っているかを意外と知らないといった課題があり、さらにコロナ禍でユーザーと担当者とのやりとりも減っている現状があるという。
そうした中で、X.SINCEが持つ機能と自社のコンテンツを組み合わせることで、短期間で独自性のあるアプリを展開。アプリをユーザーとの接点にし、さらに取得したデータを自社のサービス開発やマーケティングなどに生かせるメリットがある。
「X.SINCEを使うことでサービス開発期間や費用を軽減できる。自社開発では半年から1年かかるのが一般的だが、2~3カ月で市場にリリースできる」(ソニーネットワークコミュニケーションズ IoT事業部ヘルステック部事業開発課 金子夏海氏)と説明する。
X.SINCEは、同社がこれまで行ってきたサービス展開のノウハウや独自の技術・アセットとの連携、さらにはソニーのテレビ「ブラビア」やカメラなどで培ってきた技術を生かした食事画像解析などの機能に対応。プラットフォーム上の機能やデザインを、サービス開発のコンセプトに合わせてカスタマイズできる。
同社ではこれまで、食事画像解析サービス「カロリーチェック API」、肌解析サービス「BeautyExplorer」、パーソナルヘルスプロモーションサービス「FAIT」など、ヘルスケア領域において多様なサービスを提供している。食事画像解析技術は、食事記録ができるアプリ「あすけん」でも使用されているという。
プロフィール設定や食事・生活の各種記録、プッシュ通知など、ヘルスケアサービスの基本となる機能を多数備えており、それらをカスタマイズすることで目的に沿った新規サービスをスピーディーに開発できる。
企業側が保有するコンテンツとシステムを連携させることもできるため、たとえば、記録された食事内容に基づいて「自社の商品やレシピを提案」「独自のコラムを表示」といったこともできる。
加えて、属性情報などによってコンテンツを出し分けるなど、コンテンツ配信ロジックのカスタマイズにも対応している。
具体的には、食事・運動・美容・睡眠などのヘルスケア領域において、基本機能と食事に関する機能から提供を開始する。
また、撮影した食事画像の解析やメニュー名の検索と登録、摂取エネルギーと栄養素の計算、結果に基づいた食事改善アドバイスなどの機能の利用も可能。運動・美容・睡眠などの機能については、問い合わせを受け付け、その後順次拡大する予定。
さらに、今後は肌解析や運動フォーム解析、個別のオンライン指導といった機能の開発も進めており、順次展開する方針だ。
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