英Armは現地時間3月30日、セキュリティとパフォーマンスを大幅に向上させる新たなプロセッサーアーキテクチャー「Armv9」を発表した。同社によると、このArmv9を採用するプロセッサーは今後10年で約3000億個製造される見込みだという。
Armv9は、10年前に登場した「Armv8」の後継だ。ソフトウェアがチップを制御するのに使用する命令セットや、命令の実行方法に関するアーキテクチャーの詳細など、チップがどのように動作するかを規定している。
Armで知的財産グループのプレジデントを務めるRene Haas氏は、Armv9アーキテクチャーで向上した性能は、Armベースのプロセッサーを未来に導くものだと語っている。
Armv9のロードマップに導入される「Arm Confidential Compute Architecture」は、演算をセキュアな環境に保つことで、クラウドコンピューティングのセキュリティを向上させる。Amazon Web Services(AWS)のクラウドコンピューティングを例に挙げるなら、AWSの顧客が演算で扱うデータをAmazon側で見ることは不可能になるという。これは、個人情報を保護することが必須の医療、行政、銀行といった分野の顧客にとって重要だ。
Armv9ではまた、音声認識、スパムメールの除去、画像加工など、コンピューター分野で注目度の高い人工知能(AI)タスクの実行方法も改善されている。
Haas氏によると、ソフトウェア開発ツールの改良と合わせたArmv9全体の進化により、Armベースのチップの性能は2021年に15%、2022年はさらに15%向上するという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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