たくさんの紙や持ち帰り仕事の多い建設現場の仕事を効率化するアプリ「SPIDERPLUS」を展開するスパイダープラスは3月30日、東京証券取引所マザーズ市場に上場した。1722円の初値がつき、終値は1685円となった。
スパイダープラスは、断熱工事などを手掛ける工事会社として設立。代表取締役CEOの伊藤謙自氏が「世の中のIT化が進む中、建設業界のIT化が遅れていることを身をもって実感した」経験をもとに、IT化へと舵を切った。
マンションや商業施設、工場といった大規模の建設現場で使用されており、「私たちがターゲットとしているのは現場監督。この仕事の生産性をいかに上げるかにフォーカスしている」(伊藤氏)とし、多くの機器連携や業務効率化に向け、日々進化し続けているアプリと紹介した。
2020年12月末時点の導入社数は約800社。2017〜2020年の直近3年間で導入社数は7倍に伸びており、継続率は99%超。「継続率の数字は驚異的だと思っている。ほとんど解約されていない」と伊藤氏は現状を説明する。
2020年11月には、旧社名レゴリスをアプリの名前と同じスパイダープラスへと変更。「上場を見据えた上で、ユーザー数が増え、認知が進んでいたアプリ名を社名にした。この半年間は、非常に優秀なメンバーが集まり、効率的なマーケティングができるようになるなど、バランスの取れた成長が図れたと思っている」(伊藤氏)と振り返る。
今後は、約1.2兆円と見られる国内の建設DX市場に向けて、さらなる浸透を図る方針。「上場を機に、さらに開発を加速させ、成長につなげていきたい。将来的には、日本と同様に国土が狭く、高層ビルが立っている東南アジア市場も取っていきたい。東南アジアにおける建設DX市場は4兆円とも言われ、相当大きくなる」と将来像を話した。
現在の課題については「多言語化。東南アジア市場を見据えてのことだが、国内でも外国人の現場監督の方が増えている。国内のツールにおいても言語が選べるようにしていくべき。ただ、建設業界における最大の課題は人手が足りないこと。そこに対してSPIDERPLUSがどこまで役立てるか」(伊藤氏)とし、建設業界における人手不足をデジタルで解決に導く構えだ。
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