スパイダープラスで「仕事が楽しくなる」 建設テックから“二次元の図面管理”の救世主へ

 建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS(スパイダープラス)」を開発、販売するレゴリスは11月1日、社名をスパイダープラスに変更した。主力事業と社名を統一することで、建設業界のみならず”二次元の図面管理”に悩まされる全ての事業者に向けて、サービスのさらなる普及を目指すという。同社代表取締役の伊藤謙自氏に、スパイダープラスの成り立ちや特徴、活用メリットと今後の展開について聞いた。

スパイダープラス 代表取締役の伊藤謙自氏
スパイダープラス 代表取締役の伊藤謙自氏

現場経験から生まれた「スパイダープラス」

 スパイダープラスとは、建設・メンテナンス業向けの図面、現場管理アプリだ。大量の図面をタブレット1つでデジタル管理できるため、現場での作業が身軽になるほか事務所との無駄な往復も削減できる。現場の写真や検査記録などをデジタル図面にマージでき、帳票作成も可能という優れものだ。残業の大きな要因だった非効率なデスクワークを現場で完了でき、転記ミス削減にも役立つという。入力した情報はクラウドで一元管理されるため、事務所やチームメンバー同士での進捗確認もスムーズだ。

スパイダープラス説明動画

建設・メンテナンス業向けの図面、現場管理アプリ「スパイダープラス」
建設・メンテナンス業向けの図面、現場管理アプリ「スパイダープラス」

 現在、ゼネコン、サブコン、ディベロッパー、不動産、プラントなどの業種で700社以上の導入が進み、SaaS型である同アプリの課金ID数は3万6000を突破した(2020年10月現在)。売上高推移は、2017年以降3連続で前年比約2倍を達成するという、驚異的な伸びを実現している。まさに建設テックを牽引するスパイダープラスだが、その躍進は「現場経験」に裏付けされたものである。

 スパイダープラス代表の伊藤氏は、もともと保温断熱工事事業者。建設資材を販売する商社でファーストキャリアを歩み始めた伊藤氏は、断熱工事会社での現場管理者を経て、「いずれは独立して元請けを目指す」という目標のもと、親方について職人の仕事に従事したこともある。伊藤氏は、「露出部分の施工を納得するまで何度もやり直すほどの凝り性で、現場で一番生産性が低かったのが僕(笑)。でも、誰よりも早く施工しようという負けん気もあって、現場の仕事は好きだったし向いていたと思う」と当時を振り返る。

 スパイダープラスの前身となるアプリ「スパイダー」は、そんな伊藤氏がさまざまな役割で現場経験を積み起業したのち、見積もり工程を効率化する積算ツールとして自社開発したものだ。会社を設立して3年で元請けの仕事を受注するなど、業界でも話題になるほど“スピード出世”した同社だが、そのためには赤字も辞さず実績づくりを優先した時代もあった。

 当然、経営は苦しい。しかし、どの業界でもそうであるように、見積もり作成にいくら工数をかけても基本的には無料だった。少しでも苦境を脱するため、伊藤氏は積算の効率化に乗り出したという。

 「いまから約10年前にiPadが発売されて、情報革命とか騒がれている一方で、我々のデスクの上には常にでっかい図面、メモ用紙と色鉛筆が散乱していた。断熱工事に必要な資材や数量、どこに何メートルの配管があるといった情報は、すべて手書き。大きな現場だと図面は100枚、200枚になり、1枚積算するのに3〜4時間かかることもあった。そして最終的には電卓で合計した数値をエクセルに打ち込んで見積書を作る。しかし、積算に何カ月かかろうが、受注できなければ売上はゼロ。積算を効率化するために、図面をサーバーに入れておいて、積算するシステムを構築したところ、作業時間を10分の1に短縮できた」(伊藤氏)。

「図面をサーバーに入れておいて、積算するシステムを構築したところ、作業時間を10分の1に短縮できた」
「図面をサーバーに入れておいて、積算するシステムを構築したところ、作業時間を10分の1に短縮できた」

 こうして誕生したのが積算システム「スパイダー」だ。由来は、“クリックすると線が引かれて図面上に線が集約されていく様子が、さながら蜘蛛の糸のようだった”から。この発展形が現在の「スパイダープラス」なのだが、伊藤氏は「他社との共同開発もそうだし、他社アプリとの連携、各種計測器や検査機器との連携など、スパイダープラスを通してみんなつながっている」と話し、現在の製品名ひいては社名が同社の理想を体現していると説明した。

共同開発で「現場の使いやすさ」を追求

 「我々は断熱工事という設備の付帯工事の会社からスタートしているので、建設業界の中で知っていることはごく一部。スパイダープラスを建設業界全体で活用できるアプリとして育てるためには、各分野のリーディングカンパニーとの協業ありきで共同開発して、他業種の方にとっても使いやすいものに仕上げていこう、最初からそう考えて取り組んできた」(伊藤氏)。

 スパイダープラスの最初の共同開発パートナーは、空調設備業界大手の会社だった。「スパイダー」に関心を寄せた同社は当時、積算のニーズはなかったが「タブレットで図面を見える化して、現場の管理を楽にする」ことに、必要性を強く感じていたという。しかし、クラウドサービスの利用にはまだ業界全体が否定的だったため、最初はオンプレミスでパッケージを提供した。

 2013年頃、鴻池組が業界で先陣を切ってクラウドを容認し、これを皮切りにスパイダープラスの利用は一気に進んだという。空調設備業界では高砂熱学工業、電気工事関係ではきんでんといった、各業界のリーディングカンパニーが利用し始め、普及は加速。同時にスパイダープラスでは、彼らとともに「現場でのユーザーの声」をしっかりと吸収する形で、業界ごとにオプション機能を共同開発し、サービス拡充を進めてきたのだ。

提供:スパイダープラス株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2021年3月31日

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