武田総務大臣は3月19日の会見にて、LINEを使った総務省による行政情報の発信について停止する予定であることを明らかにした。
これは、LINEがシステム管理を委託していた中国企業の技術者が、ユーザーの名前やメールアドレスといった個人情報に加え、トークや写真も閲覧できる状態だったとする一連の問題で、LINE側は一部機能の開発やモニタリング業務を中国拠点に委託していたことを公表した。すでに、中国拠点からのアクセス権ははく奪。個人情報やトークは国内のサーバーに、写真や動画は韓国のサーバーを利用していたことも明かしている。
武田大臣は、「Zホールディングスから、LINEのシステム開発や運用の一部が中国を拠点とする関連会社で行われており、日本のサーバーにある利用者の個人情報へのアクセスが可能となっていたこと、現在は利用者情報の中国からへのアクセスを遮断していること、今後外部有識者による委員会を設置し、詳細な検証を予定していることなどの報告があった」と言及。
また、総務省のLINE活用については、「採用活動、意見募集、利用者への問い合わせ対応でLINEを活用しており、いずれも運用を停止予定」としたほか、「職員に対し、LINEをはじめとした外部サービスの利用に関しては、業務情報を取り扱わないように求めている。省内にもあらためて注意喚起した」と、LINEを活用したサービスを停止するとしている。
LINEは地方公共団体でも活用が進む。こちらについては、「利便性向上や業務効率化のため、保育所の入所申請、住民からの各種相談、粗大ごみの収集申し込みなどでLINEが活用されている」とし、全地方公共団体に現状の確認を行ったうえで、3月26日までに報告するように求めているという。「地方公共団体の情報セキュリティ対策を支援する総務省としても、関係省庁と連携して適切に対応したい」としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス