Tesla MotorsとSpaceXの最高経営責任者(CEO)Elon Musk氏は1月、「優れた二酸化炭素回収技術を競う賞」に自身の莫大な資産から資金を出す意向を表明した。非営利団体のXPRIZEは米国時間2月8日、そのコンテストの概要を発表した。
この1億ドル(約110億円)規模のコンテストは、史上最大の褒賞になるとXPRIZEは述べている。YouTubeへの投稿によると、「二酸化炭素を大気または海洋中から直接回収し、環境に負荷をかけない方法で恒久的に貯留できるソリューションを開発し、デモンストレーションする」チームを世界で募るという。
二酸化炭素回収は、その多くが初期段階にあるさまざまな技術を指し、二酸化炭素を大気から取り出して別の場所、例えば地下などに貯留したり、燃料などとして再利用することを可能にする。
その目的は、気候変動の主要因である二酸化炭素の全体的な濃度を下げることにある。
XPRIZEのウェブサイトは、コンテストの概要を新たなページで発表している。4年間に及ぶコンテストで、参加チームは「厳密な検証が可能で、二酸化炭素を1日に1トン以上除去できる実用的なプロトタイプ」を製作しなくてはならない。
また、自分たちの新技術をギガトン(10億トン)レベルまで経済的にスケーリングする方法も審査対象となる。
XPRIZEによると、科学者は気候変動に最悪の影響が及ぶことを避けるには、2050年までに年間10ギガトンの二酸化炭素を削減する必要があると推定している。
Musk氏は声明で、「ギガトンレベルで明らかな影響を及ぼすことができる本物のシステムを開発するようチームに求める」としている。
コンテストでは、18カ月後に選ばれた15チームがプロトタイプの開発支援費としてそれぞれ100万ドル(約1億1000万円)を受け取る。また学生の25チームにそれぞれ20万ドル(約2100万円)を授与される。残りの8000万ドル(約84億円)は、大賞受賞チームに5000万ドル(約53億円)、2位に2000万ドル(約21億円)、3位に1000万ドル(約10億円)が授与される。
コンテストのガイドラインの全容などは、アースデーの4月22日に発表される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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