このところ、FacebookやTwitterなどの巨大ソーシャルメディアから、ユーザーが離れる動きが加速している。
ユーザーは、これらの企業による執拗なプライバシー侵害、監視資本主義、政治的偏向、ターゲティング、ニュースフィードの操作に嫌気がさしているようだ。
そして、ほかのソーシャルメディアプラットフォームが、こうした大規模なユーザー離れの恩恵を受けている。ロサンゼルスを拠点とするソーシャルメディアネットワークの「MeWe」は、広告がない、未来のソーシャルネットワークと宣伝されており、米国時間1月15日の時点で、米国の「Google Play」ストアで最もダウンロードされているソーシャルアプリだ。同ストアの全アプリのダウンロードランキングでも3位に入っている。
なお、アプリ全体のランキングで1、2位にいる「Signal」と「Telegram」は、競合する「WhatsApp」のプライバシーポリシー変更をめぐる騒動の恩恵を受けている。
プライバシーを重視する、この「反Facebook」のMeWeは、先週1週間で新たに250万人のユーザーを獲得した。
2016年のサービス開始以来、ユーザー数が急増しており、2020年10月に900万人に到達。この3年間は毎年ユーザー数が2倍に増えている。現在のユーザー数は1550万人で、その半数は北米以外のユーザーだ。
MeWeは現在、20の言語に翻訳されており、本稿執筆時点で香港では最も人気の高いソーシャルアプリとなっている。
同社によると、MeWeのユーザー数が急増することは頻繁にあるが、それは、世界中の人々が、自分たちのことを「共有、ターゲティング、あるいは売れるデータ」を持っている顧客としてではなく、喜ばせるべき顧客として尊重してくれるソーシャルネットワークを求めているからだという。
MeWeは、皆が大好きな機能を備えながら、広告やターゲティング、ニュースフィードの操作は存在しない、新しいメインストリームのソーシャルネットワークだと同社は主張している。
ユーザーは、Facebookなどのプラットフォームによるデータ収集に幻滅しつつある。MeWeでは、プライバシーが保護されており、ユーザーは自分のデータを十分に制御できる。広告やターゲティング、顔認識、データマイニング、ニュースフィードの操作も存在しない。
メインフィードに少し圧倒されることもあるかもしれないが、すぐに、見たい情報にフォーカスできるようになる。
自由度の高いフィードと広告のないルックアンドフィールを楽しむユーザーが増える中で、このプラットフォームは成長し続けると筆者は考えている。
「MeWe Premium」のサブスクリプションも2021年を通して着実に成長し、ビジネスにも有用な「MeWe Page」(月額1.99ドル=約206円)は明らかに参入企業の少ない市場で効果的に競争することができるだろう。
この爆発的な成長に対応できるように、プラットフォームの拡張に必要なハードウェアを整備していくことがMeWeの課題であることは間違いない。投資家たちがそのことを織り込み済みで、新しいユーザーの急増に対処できるだけの余裕が十分あれば望ましい。
新しいユーザーは、Twitterのサーバーが過負荷になったときに表示されていた、障害を伝えるクジラのウェブページのことを覚えていないかもしれない(このクジラは、ユーザーが就寝中に起こったことを確認するためにログオンする太平洋時間午前8時に表示されることが多かった)。
ユーザー数が増え続ける中で、MeWeはスケーラブルなインフラストラクチャーを円滑に組み込む必要があるだろう。
MeWeが長く存続することを祈っている。今のところ、筆者はMeWeを大いに気に入っている。広告が表示されず、有料で追加機能を利用できる選択肢があるソーシャルメディアプラットフォームは、私たちが嫌うようになった広告だらけのフリーミアムモデルを間違いなく打ち負かしてくれるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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