新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者の治療にあたる医師を支援するため、Facebookは人工知能(AI)の力を提供する。酸素など、COVID-19患者の治療に必要なリソースを病院で追加する必要があるかどうか、医師らが予測するのに役立てられるという。
Facebookは米国時間1月15日、3つのAIモデルを開発したと発表した。第1のモデルは1枚の胸部X線写真に基づき、また第2のモデルは複数のX線写真に基づいて、それぞれCOVID-19に感染した患者の容体が悪化するかどうかの予測を支援できるという。第3のモデルは、COVID-19の患者に追加の酸素がどの程度必要となるかを予測する。患者がより集中的な治療リソースを必要とする可能性があるかどうか、最大で4日先まで予測することができるとしており、これは概ね人間の医師による予測よりも優れているという。
「こうした予測の支援により、医師は危険な状態の患者を早まって帰宅させてしまうことを避けられ、病院は補給用の酸素や他の限りあるリソースの需要をより正確に予測できる」(Facebook)
ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスの予測分析ユニットおよび放射線科に協力するFacebook AI Research(FAIR)部門の取り組みは、ハイテク企業がどのようにしてCOVID-19と戦う医療業界を支援しているかを示す新たな事例のひとつだ。COVID-19に感染した患者の一部は、息切れなどの呼吸不全に苦しんでいるが、ロサンゼルスを含む一部地域の病院では、COVID-19の患者を助けるために必要な酸素が不足していると報じられている。
Facebookのモデルは、人手でデータを分類するという、時間がかかりがちな作業に頼るのではなく、AIによる機械学習を活用するものだ。Facebookとニューヨーク大学は、研究成果を公表し、トレーニング済みのAIモデルもオープンソース化して公開している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」