Joe Biden次期大統領の政権移行チームは、「OpenID」や「OAuth」の提唱者の1人であるDavid Recordon氏をホワイトハウスのテクノロジー担当ディレクターに指名したことを発表した。Recordon氏は、直近ではFacebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏と妻Priscilla Chan氏が設立した慈善団体「Chan Zuckerberg Initiative」のインフラストラクチャーおよびセキュリティ担当バイスプレジデントを務めている。
それ以前には、Facebookのエンジニアディレクターを務めた経歴を持つ。同社のオープンソースイニシアチブやプロジェクトの指揮を執っていた。これには、Facebookが自社の開発作業で使用していたコードレビューなどが可能なウェブアプリスイート「Phabricator」も含まれている。さらに、オープンソースの分散データベース管理システム「Cassandra」や、「HipHop」「Apache Thrift」に関する取り組みも主導した。つまり、Recordon氏はプログラマーであると同時に、オープンソースを知り尽くしたマネージャーでもある。
Recordon氏は公立の小学校でプログラミングを学んだ。Biden-Harris政権移行チームによると、Recordon氏はテクノロジーやセキュリティ、オープンソースソフトウェア、公共サービス、慈善活動などが関わる分野で20年近くのキャリアを費やしてきた。
Recordon氏はLinkedInへの投稿で、新しいポジションで直面するさまざまな課題を楽しみにしていると述べた。「パンデミックや現在も続くサイバーセキュリティ攻撃は大統領府全体に新たな課題を突きつけているが、これらのチームが協力すれば、安全かつセキュリティに配慮した方法でそれらの問題を克服できるはずだ」(同氏)
Recordon氏は過去にもホワイトハウスで働いた経歴がある。Barack Obama政権時代に、初代ホワイトハウス情報技術担当ディレクターを務め、同氏のチームはITのモダナイゼーションやサイバーセキュリティ対策などの問題を主導した。さらに、Biden-Harris政権移行チームの副最高技術責任者(CTO)となっている。
Recordon氏は大きな課題に直面するだろう。Donald Trump政権のテクノロジーや科学への対応を見直し、大統領府のテクノロジー基盤を再構築する必要があるかもしれない。ネット中立性や巨大テクノロジー企業の規制、ブロードバンドの拡大といったテクノロジーの問題、さらに顔認識や人工知能(AI)、予測分析などの次世代テクノロジーに政権がどう対応するかということについても支えていく必要があるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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