Check Point Software Technologiesは、世界各地で医療関係機関へのサイバー攻撃が急増していると警告した。病院などに対するサイバー攻撃は2020年11月の1カ月間で45%増えており、他業界の組織を狙った攻撃に比べ2倍以上の増加率だという。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が再びペースを上げるにつれ、医療関係機関へのサイバー攻撃も増加。1組織あたりの週平均攻撃回数は、2020年10月が430回だったのに対し、11月は626回だった。
攻撃の種類は、ランサムウェア、ボットネット、遠隔コード実行、DDoSなどさまざまだが、特に医療関係機関はほかの業界よりランサムウェアの増加が目立った。もっとも多く攻撃に使われたランサムウェアは「Ryuk」で、これに「Sodinokibi」が続く。
病院などがランサムウェア攻撃を受けると、医療サービス提供に必要なITシステムが機能不全に陥り、患者の命を危険にさらしてしまう。サイバー犯罪者は、こうした医療機関が脅しに屈しやすいと期待し、ランサムウェアを多用していると考えられるそうだ。
医療関係機関に対するサイバー攻撃の増加率を地域別でみると、2倍以上になったのは中欧(145%増)、東アジア(137%増)、中南米(112%増)。国別では、カナダが250%増でもっとも高く、次いでドイツの220%増となる。スペインも倍増していた。
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