ニューヨーク証券取引所(NYSE)が米国の大統領令を受け、中国の通信3社の上場廃止に向けた手続きを始めると発表したことについて、中国は、政治的な動機に基づくものであり、市場のルールに反しているとの見方を示した。法の原則を尊重し、「世界金融市場の秩序」を守るべきだと中国は主張している。
Donald Trump大統領は2020年11月、中国人民解放軍と関係が深いとみられる中国企業への投資などを禁止する大統領令に署名した。
取引は米国時間1月11日に停止される予定だ。NYSEに上場している中国電信(チャイナテレコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)香港の3社が影響を受ける。
これに対し、中国証券監督管理委員会(CSRC)は3日、通信3社の上場廃止は世界の投資家の「正当な権利」を「無視」し、市場の秩序を「大きく混乱させる」との見解を示した。
中国の英字紙China Dailyが、CSRC広報担当者の発言として伝えたところによると、3社は米国預託証券(ADR)を発行しており、NYSEへの上場は約20年に及ぶ。また、3社とも米国の証券市場の規則と規制を順守してきたという。
さらにCSRCの広報担当者は、上場廃止は政治的な動機に基づいており、市場のルールと秩序に大きく反していると主張した。一方で、3社はユーザー基盤が大きく、経営が安定し、世界の通信業界に影響力をもつことに加え、株式全体に占めるADRの割合が小さいことから、上場廃止が3社の経営や成長に及ぼす「影響はごく限られた」ものになるとしている。
NYSEは4日、3社の上場を廃止する方針を撤回すると発表した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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