SolarWindsのソフトウェアを利用したサプライチェーン攻撃に対する犯罪科学的調査で証拠が徐々に見つかる中、Microsoftのセキュリティ研究者らは、同ソフトウェアを利用して企業や政府機関のネットワークにマルウェアを挿入した2番目の攻撃者が存在する可能性があることを、米国時間12月18日に明らかにしている。
それによると、この2番目の攻撃者に関する情報はまだほとんど分かっていないが、SolarWindsのネットワークに侵入し、同社のネットワーク運用ソフトウェア「Orion」にマルウェアを挿入したとみられるロシア政府系ハッカーとのつながりはなさそうだという。
最初の攻撃で使用されたマルウェア(コード名「SUNBURST(別名Solorigate)」)は、トロイの木馬化されたOrionアプリケーションのアップデートを介してSolarWindsの顧客に配布された。
このマルウェアは、第2段階の攻撃としてバックドア型トロイの木馬(コード名「TEARDROP」)をダウンロードし、人手による攻撃(human-operated attack)とも呼ばれるハンズオンキーボード攻撃を開始できるようにする。
だが、SolarWindsへのハッキングが公になってから数日で公開された初期のレポートは、第2段階のペイロードが2種類あることを示唆していた。
Guidepoint、Symantec、Palo Alto Networksの各社は、攻撃者が.NETウェブシェル「SUPERNOVA」も埋め込んでいたことをレポートで報告していた。
セキュリティ研究者らは、攻撃者がこのSUPERNOVAウェブシェルを使って、悪意のあるPowershellスクリプト(一部では「COSMICGALE」というコード名で呼ばれている)をダウンロードし、コンパイルして実行していたと考えた。
しかし、Microsoftのセキュリティチームはその後の分析で、SUPERNOVAウェブシェルが最初の攻撃チェーンの一部ではなかったとの見解を明らかにした。
そのため、インストールしたSolarWindsソフトウェアでSUPERNOVAが検出された企業は、このインシデントを別の攻撃とみなす必要がある。
MicrosoftのセキュリティアナリストNick Carr氏もGitHubへの投稿で、SUPERNOVAウェブシェルが悪用される可能性はあるものの、最初のソフトウェアサプライチェーン攻撃との関連性は見られないとしている。
GuidePoint Security’s DFIR team has reverse-engineered the SUPERNOVA webshell involved in the #SolarWindsOrion supply chain attack in our latest blog post. Learn how the shell works and our recommendations for detection and response. https://t.co/zIr2xg81et #SolarWinds #UNC2542 pic.twitter.com/giwtYcBIG1
— @guidepointsec (@GuidePointSec) December 15, 2020
このSUPERNOVAがSUNBURSTとTEARDROPを利用した攻撃チェーンに関連しているという誤解が生じたのは、SUPERNOVAがSUNBURSTと同じくOrionのDLLに偽装していたからだ。SUNBURSTはSolarWinds.Orion.Core.BusinessLayer.dllファイルに、SUPERNOVAはApp_Web_logoimagehandler.ashx.b6031896.dllファイルにそれぞれ埋め込まれていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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