アマゾン、ゼロエミッション航空機の新興企業ZeroAviaに出資

Charlie Osborne (ZDNET.com) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ) 編集部2020年12月18日 13時16分

 Amazonは米国時間12月16日、ゼロエミッション航空技術の開発を専門とする新興企業ZeroAviaに出資したと発表した。

ZeroAvia
提供:Amazon / ZeroAvia

 これは、同社が6月に開始したプログラム「Climate Pledge Fund」の一環だ。

2017年に創設され、カリフォルニア州を拠点とするZeroAviaは、商業的に実現可能なゼロエミッション航空機の実現を目指して、水素燃料電池を利用する航空技術を開発している。

 ZeroAviaはすでに、6月に英国で燃料電池によるテスト飛行を済ませ、9月には水素燃料電池を搭載した航空機のテストを実施している。今後3カ月以内に、250マイル(約400km)の飛行テストを実施する見込みだ。

 ゆくゆくは、航続距離500マイル(約800km)で乗客10~20人を輸送できる燃料電池式航空機を開発する計画で、さらに商業的価値を高めるために配送や農業などでも活用できるようにしたい考えだ。

 ZeroAviaによれば、AmazonはシリーズAの資金調達ラウンドを通じて2140万ドル(約22億3000万円)を出資したという。主導したのはBreakthrough Energy VenturesとEcosystem Integrity Fundで、これにAmazon Climate Pledge Fund、Horizons Ventures、Shell Ventures、Summa Equityが参加した。

 それとは別に、同社は革新的な技術プロジェクトに出資する「ATI Programme」を通じて、英国政府からも1630万ドル(約17億円)を調達した。その目的は、商業的な利用が可能な19席の飛行機をZeroAviaが2023年までに完成させることだ。ZeroAviaは今回の分を合わせて4970万ドル(約51億3000万円)の資金を調達している。

 AmazonのClimate Pledge Fundは環境に優しく、持続可能な技術を開発する企業に20億ドル(約2070億円)を投資するもの。

 Climate Pledge Fund全体の狙いは、2040年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにするという「The Climate Pledge」の目標を達成することだ。The Climate Pledgeは、Amazonと気候変動問題を扱う団体Global Optimismによって設立された。Amazonはこの目標を、パリ協定の締結国が目指す2050年より10年早く達成しようとしている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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