Mozillaは、2020年最後のアップデートとなる「Firefox 84」をリリースした。Firefox 84は、Appleの新しいシリコンチップ「M1」をネイティブでサポートする。
MozillaはFirefox 84について、11月に登場した「Firefox 83」の非ネイティブビルドと比較して、「劇的なパフォーマンスの向上」をもたらすとしている。Firefox 83は、M1を搭載した最初の「Mac」をAppleが発売した1週間後にリリースされた。
「SpeedoMeter 2.0」テストを用いたMozillaのベンチマークによると、Firefoxの起動速度が2.5倍以上速くなり、ウェブアプリの応答性能も向上している。
新しいM1搭載Macのユーザーは、Firefox 84にアップグレードした後、新しいアーキテクチャーでブラウザーを動かすために、Firefoxを完全に終了してから再起動する必要がある。
Firefox 84は、M1をネイティブでサポートする最初のFirefoxであると同時に、「Adobe Flash Player」をサポートする最後のFirefoxでもある。どちらをとっても、死後9年経ってもソフトウェアとハードウェアに影響を及ぼし続けているAppleの共同創業者Steve Jobs氏の影響力を思い起こさせる。
Jobs氏は2010年の公開書簡でFlashについて、成功しているAdobe製ソフトウェアだが、「PC時代に、PCとマウス向けに開発」された「クローズド」な製品であり、当時発売されたばかりの「iPad」や、それ以前に発売された「iPhone」に適していないと述べていた。
またJobs氏は、ウェブの未来はHTML5とJavaScriptとCSSにあると語っていた。
Appleの上級幹部であるGreg Joswiak氏は先ごろ、Om Malik氏とのインタビューで、Jobs氏が今も存命であれば、Jobs氏にとってM1が何を意味したかを考えた。
ワールドワイドマーケティング担当のシニアバイスプレジデントを務めるJoswiak氏は、Malik氏に「Steve(Jobs氏)はよく、製品全体を作るのだと言っていた」と語った。
「iPhoneやiPadからスマートウォッチに至るまで、当社は全てにおいて製品全体を作ってきた。これ(M1)は、Macで製品全体を作るための最終的な要素だった」(Joswiak氏)
Firefox 84とともに、Mozillaの高速化したGPUベースの2Dレンダリングエンジン「WebRender」が、「macOS Big Sur」、Intelの第6世代GPU搭載のWindowsデバイス、「Windows 7」および「Windows 8」搭載のIntel製ノートPC向けにリリースされる。
Mozillaは、Linux/GNOME/X11ユーザー向けに高速化したレンダリングパイプラインを初めてリリースすると約束している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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