Adobeは、2020年末にサポート終了を予定している「Flash Player」の最終アップデートを公開した。
Adobeの広報担当者は米ZDNetに対し、「米国時間12月8日にリリースした最新のFlash Playerのアップデートで、サポート終了前にFlash Playerをアンインストールするよう促し、2021年1月12日以降、Flashコンテンツの実行をブロックすることをユーザーに知ってもらうため、アンインストールを促すプロンプトと機能をアップデートした」と説明した。
Adobeは6月、Flash Playerを2020年末までにコンピューターからアンインストールするよう促すプロンプトを表示し、サポート終了(EOL)の予定が近づいていることを通知する計画を明らかにしていた。
「Adobe Flash Playerサポート終了情報ページ」でも、2021年1月12日以降、Flash PlayerでのFlashコンテンツの実行をブロックするとしている。
最新アップデートをインストールしなくても、この「時限爆弾」は発動されるようだ。
Adobeは米ZDNetに対し、Flashコンテンツを利用できなくするためのコードは、数カ月前にこれまでのリリースで追加されており、今回の最終アップデートは、ユーザーにアプリのアンインストールを求めるプロンプトの文言を修正しているだけだと説明した。
Adobeは2017年7月、 Apple、Google、Microsoft、Mozillaなどの主要ブラウザーメーカーや、オンラインゲームプラットフォームでFlashに大きく依存していたFacebookとともに、Flashのサポート終了を発表した。
本稿執筆時点で、Flashは主要なブラウザーですでに無効になっており、2020年12月~2021年1月にコードベースからFlashプラグインが削除されるようだ。
現時点で、Flashのサポート終了がウェブのエコシステムに及ぼす影響は最小限にとどまるとみられる。ウェブ技術調査サイトW3Techsによると、2020年12月時点でFlashのコードを利用するウェブサイトは全体の2.3%だ。2011年初頭の28.5%から大きく減少している。
Microsoftは10月、WindowsでFlash Playerを削除する更新プログラムを公開している。
Flash Playerは、さまざまなセキュリティ脆弱性に対して批判の声もあったが、ウェブアニメーションやマルチメディアプレーヤー、ストリーミングテクノロジーなどのインタラクティブなコンテンツの導入や普及に貢献し、インターネット全体の歴史で重要な役割を果たした。Flashが対応していたこのようなコンテンツは、CSSやJavaScript、HTML5などに移行されている。
Adobeは、Flashのユーザーやウェブ開発者がアプリをインストールし、利用してきたことに謝意を示している。Flash Playerの最後のチェンジログには、次のような記載がある。
「ここで、この20年間にわたってすばらしいFlash Playerコンテンツを利用してきた顧客や作成してきた開発者に感謝の意を伝えたい。アニメーションやインタラクティビティ、オーディオ、動画などのウェブコンテンツの進化において、Flashが重要な役割を担ってきたことを誇りに思う。デジタル体験の次の時代を導く一助となることに胸を躍らせている」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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