アマゾン従業員、ブラックフライデーに各国で抗議デモ

Steven Musil SEAN KEANE (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 高森郁哉 (ガリレオ)2020年11月30日 14時15分

 Amazonは米国時間11月26日、新型コロナウイルスの罹患リスクが最も高い前線で働く従業員らに年末商戦期の特別ボーナスを支給すると発表したが、翌27日、同社の物流拠点で働く従業員が複数の国でストライキを実行した。同日は年末商戦の幕開けとして、米国では最大規模のセール日となるブラックフライデー(11月の第4木曜日の翌日)に当たる。

100ドル紙幣
提供:Declan McCullagh/CNET

 Amazonでワールドワイドオペレーション担当シニアバイスプレジデントを務めるDave Clark氏は、26日付の公式ブログで、12月1~31日にフルタイム雇用される従業員は300ドル、同期間にパートタイムとして雇用される従業員は150ドル(約1万6000円)を受給する資格があると説明していた。

 同氏はさらに、「当社のチームは、顧客の不可欠なニーズを満たす素晴らしい仕事をしながら、世界各国でソーシャルディスタンスを取っている家庭が大いに必要としているホリデーシーズンの賑わいを届ける手助けもしている。これまでにないほどチームに感謝し、誇りに思っている」と述べていた。

 Viceの報道によると、それでも米国、英国、メキシコ、ブラジル、インド、オーストラリアなど計15カ国の従業員が、ブラックフライデーにストライキを実行する計画を立てたという。ブラックフライデーはAmazonが年間で最大級の売上高を記録する日だ。従業員はAmazonに対し、労働環境および賃金の改善や連帯する権利の尊重を求めてきた。これらの取り組みは「#MakeAmazonPay」(Amazonに支払わせよう)と総称されている。

 Business Insiderによると、ドイツの従業員は27日、7カ所の物流拠点でストを行い、ロンドン本社では、組合員が建物の壁に「Make Amazon Pay」の文字を投射した。バングラデシュにあるAmazonサプライヤーの外では、衣料品を担当する従業員がデモを行った。ブラックフライデーの各国における抗議活動の口火を切ったのは、シドニーでのストだった。

 Amazonの広報担当者は電子メールで以下のようにコメントした。「こうした誤解を招く一連の主張は、誤情報や、Amazonの企業像を個々の目的の推進に利用する利己的な集団によるものだ。Amazonは従業員、顧客、コミュニティーを強力に支援してきた実績がある。(従業員に対しては)安全な労働環境の提供、15ドル(約1600円)の最低賃金、充実した福利厚生を提供している。気候変動問題に関しては業界を先導する立場で、2040年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするために『Climate Pledge』という取り組みを実施している。そして2019年には50億ドル(約5200億円)以上を納税した」

 新型コロナウイルスによるロックダウンは、Amazonにとって継続的な追い風となり、第3四半期には利益が3倍になった。だが、感染防止策の改善を求めて従業員から繰り返し抗議を受け、倉庫での新たな対策の導入に苦労もしてきた。

 Amazonは、こうした問題への対策に数十億ドルを費やし、消費者の需要の急増に対応するために大勢の従業員を新規採用して、検査体制やマスク、より徹底した清掃など、多くの新たな対策も取った。

 同社は10月、米国で2万人近い従業員が3月1日~9月19日までに新型コロナウイルスの検査で陽性と判定または推定されたことを明らかにしていた。

 今回のボーナスは総額5億ドル(約520億円)に上る。同社は6月にも、最前線で働く米国の従業員に総額5億ドルのボーナスを支給すると発表していた

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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