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アップルやテスラ出身者が集まる米ドローン自律飛行技術の「Skydio」が日本展開に本腰

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 米国発のドローンメーカー大手Skydio(スカイディオ)の日本法人であるSkydio Japanは11月16日、東京に海外初となるオフィスを開設したことを発表した。同社は、屋内や橋の下などGPSが機能しない場所でも障害物を回避して自律飛行できる技術を独自開発している。


 

 今後は、NTTドコモ、NTT西日本グループのジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下、JIW)、ドローンサービスプロバイダーのFLIGHTSをパートナーに日本展開を加速する。また東京をリージョナルヘッドクオーターとして、アジア太平洋地域諸国への事業展開も見据えているという。

「自動飛行」と「自律飛行」は違う

 Skydioは2014年に設立された米国企業で、テスラ、Google、Appleなどの出身者によって構成されている。CEO & Co-FounderのAdam Bry氏、CTO & Co-FounderのAbraham Bacharach氏の両氏は、MITでドローンの自律飛行に関する研究を行い、Googleのドローン配送プロジェクトWingにソフトウェアエンジニアとして参画した経歴を持つ。また、NVIDIAなどから約170億円の資金調達に成功しており、日本からはNTTドコモ・ベンチャーズが2020年7月に同社への出資を発表して話題になっていた。


 

 同社が注目を集める理由は、「非GPS環境下での自律飛行」を可能にした技術力の高さだ。2019年に発売された「Skydio 2」はAIを活用した自律飛行型ドローンで、機体の上下に3つずつ魚眼レンズを備えVISUAL SLAMによって障害物を検知し、自動で回避飛行ルートを計算して自律航行できる。また、人間の行動を予測した自然な自動追尾も可能だ。

 さらに、ビル、倉庫、工場といった屋内や橋の下などのGPSが機能しない場所においても、暗所でなければ周辺環境地図を構築した自律飛行ができるため、点検、警備、監視、エンターテイメントなどさまざまな領域で省力化を目的とした活用が期待されている。


 発表会当日には、日本でも2021年度に発売を予定している「Skydio X2E」と専用のコントローラーも紹介された。X2Eは赤外線カメラ、360度障害物を回避するための6台の4Kナビゲーションカメラなどの搭載、35分間飛行の実現を予定しているという。また、定期的な点検などルーティンな自律飛行を遠隔で行うためのSkydio Dockのお披露目もあった。



 Skydio Japan CEOに就任したTom Moss氏は、「自動航行と自律航行は違う」と話し、Skydio 2を使ったデモンストレーションを通して、同社の技術がいかに産業界で有用であるかを説明した。

 「自動航行とは、A地点からB地点まで決められたルートを自動で飛行する機能。自律航行とは、A地点からB地点までのルートにおいて、障害物を検知した場合において自ら回避ルートを計算して、自律的に最適な飛行をできることだ。しかも、非GPS環境下においても自律航行できるのは画期的だ」(Tom Moss氏)。当日は、Moss氏を“障害物”に見立てて検知・回避して自律飛行する一幕もあった。

  

Skydioが日本展開を加速する理由

 Skydioの製品は米国内で、まずはコンシューマー向けに機体が販売されていたが、現在はインフラ点検などの産業界でも積極的に導入が進められているという。Moss氏は、「マニュアル操縦における運用上の最大の課題は機体をクラッシュさせてしまうこと。パイロットのスキルによるビジネススケールの限界が明らかになってきた」と指摘。現在、ドローンパイロットによるマニュアル操縦で点検などを行なっている事業者の中には、「2年後には全て自律航行に切り替えたい」と話す顧客もあるという。


 日本ではコンシューマー向けの機体販売は予定されておらず、NTTドコモ、JIW、FLIGHTSをパートナーに、産業界におけるさまざまなユースケースを掘り下げ、用途開発および技術の共同開発を進める予定だ。

 具体的には、橋梁、屋根、外壁、鉄塔、基地局などさまざまなインフラ設備の点検、建設などの現場監督、工場などの施設内見廻り、ビル警備などだ。日本では高度経済成長期に建設されたインフラの老朽化と長寿化が喫緊の課題となっていることを踏まえて、Moss氏は日本市場展開を加速する理由をこう述べた。

 「日本では、多くのインフラが老朽化するうえ、地震などの災害も多い。人口も減少しており、インフラ点検、工事現場の管理監督、ビルなどの施設警備を担うフィールドワーカーが不足している。またこうした仕事に若者が憧れを抱きにくいという面もあり、ドローン活用ニーズの緊急度も高い。このような特別な事情を抱える日本において、まずは用途開発や技術開発を進めていきたい」(Moss氏)

 なお、Skydioの日本国内生産は予定していないとのことで、機体は米国製となる。Skydioの強みの1つである、「ソフトとハードの開発拠点を1か所に集中させることによる開発スピードの速さ」を損なわないためだという。Skydioの本格的な日本市場参入で、日本のドローン産業がどのように変化、発展するのか、注目と期待が高まっている。

※編集部注:当初、タイトルおよび本文に「アップルやテスラから出資を集める」と記載していましたが、こちらは「アップルやテスラの出身者が集まる」の誤りです。訂正しお詫びいたします。

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