課金か、それとも乗り換えか--「Googleフォト」の無制限アップロード終了で考えられる選択肢

 グーグルは、「Googleフォト」で提供してきた無料の無制限アップロードを2021年5月末で終了する。6月以降は、同社のスマートフォン「Pixelシリーズ」を除き、Googleドライブの容量内でのアップロードに限定される。ただし、これまでアップロードした写真や動画は引き続き保存される。

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 このニュースは日本でも一気に広まり、11月12日のTwitterトレンドにはGoogleフォト関連のワードが並んだ。愛用していた筆者も、ニュースを知って鳩が豆鉄砲を食らったような顔になってしまったが、よくよく考えてみれば、データの圧縮や解像度の制限(静止画は最大1600万画素、動画はフルHDまで)はあるにせよ、無料かつ無制限で写真も動画もアップロードできる大盤振る舞いのサービスだったことを考えると、今までが異常だったのかもしれない。

 Googleフォトが優れている点は、バックグラウンドでの自動アップロードやサムネイル表示スピードのサクサク感に加え、被写体の自動識別により、人物別での自動グルーピング、ロケーションや映り込んだオブジェクトでの検索が可能な点にある。写真内のテキストも読み取っているようで、フワっとした検索ワードでも目的の写真にたどり着きやすくなっている。クラウドベースなのに、ローカルと体感上あまり差がない使用感も特徴的だ。

 無制限をウリにしていたこともあり、スマートフォンの写真・動画以外にも、デジタル一眼で撮影したデータもすべてGoogleフォトにアップする“ドンブリ運用”をしているユーザーも少なくないだろう。しかし、アップロード終了が宣告されてしまった以上、残された道は引き続きGoogleフォトを使い続けるか、他のサービスに移行するかになってくる。

Googleフォト継続で15GB以上のストレージが必要なら課金コース

 こうした利便性を今後も享受したいのであれば、追加容量プランの契約も検討すべきだろう。Googleの新しいストレージサービス「Google One」の無料プランは15GBで、同社では「8割のユーザーが3年間アップロードできる容量」と説明しており、あまり写真を撮らないユーザーであれば15GBのやりくりで問題はなさそうだ。

 ただし、個人的には全く足りないと感じるのが正直なところ。もしそれ以上の容量が必要であれば、月額250円(年間2500円)の100GBプラン、月額380円(年間3800円)の200GBプラン、月額1300円(年間1万3000円)の2TBプランから選ぶ必要がある。Google Oneには、家族との共有機能もあるので、例えば2TBのプランを4人のファミリーグループで共有する場合、一人あたり325円で500GBを利用できることになる。

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無料で15GBというは、実は他のクラウドサービスと比較すると良心的な方であったりする(iCloudやOneDriveは5GB)

 Googleフォトは、オプションとして元データでのアップロードにも対応しているが、Google Oneのストレージ容量を使ってしまうため、無制限アップロードが適用される圧縮アップロードを選択する必要があった。もし、大容量のストレージを契約するのであれば、元データでのアップロードでも問題なさそうだ。

Pixelを購入するのも手

 もし、スマートフォンを買い替えようとしているのであれば、Pixelを選択するのも手だ。グーグルによると、初代Pixelから現行のPixel 5まで、6月1日以降も写真・動画を無制限でアップロードできるとしている。カメラ性能でいえば、Pixelシリーズはスマートフォントップクラスの画質で、新型のPixel 5/4a 5Gでは新たに「夜景ポートレートモード」も追加されている。iPhoneだと上位機種の12 Pro/12 Pro Maxでのみ搭載されている「ナイトポートレート」と同等の機能で、夜でもボケ感を生かした写真が撮影できる。

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現行モデルの「Pixel 4a 5G」(左)「Pixel 5」(右)

 なお、他のスマートフォンやカメラで撮影した写真や動画をPixelに集めてGoogleフォトにアップロードすれば、無制限の対象になるかもしれないものの、単純に手間なのと、挙動がまだ確認できないため期待半分としておきたい。

 あと、気になる点としては、Pixel 5以降のモデルに関してはこの特例が適用されない可能性が高いということだ。Android CentralAndroid Policeによると、将来発売されるであろうPixelスマートフォンには、無制限バックアップを提供しないとグーグル側が認めたとしている。もし、無制限アップロード目当てであれば、現行かそれより前のモデルを購入するしかなさそうだ。

乗り換え先として最有力の「Amazon Photos」

 乗り換え先として最有力候補なのが、アマゾンがプライム会員向けに提供している「Amazon Photos」だ。厳密には、年会費(年間4900円)を払う必要があるため無料ではないのだが、すでにプライム会員であれば追加費用なしで利用できる。SmugMugのベーシックプラン(年間55ドル)よりも安い。

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Googleフォトに似たAI機能なども利用できる「Amazon Photos」

 Amazon Photosの最大のメリットは、Googleフォトと異なり、写真データを“元の画質”で無制限にアップロードできる点にある。JPEGだけでなくRAWデータも保管できるため、一眼のバックアップ先として利用しているユーザーも多い。スマートフォンアプリやデスクトップアプリも用意され、写真のアップロードもスムーズだ。アプリのサムネイル表示も速く、AIを使った人物ごとのグルーピング機能もある。

 ただし注意点もある。動画については無制限アップロードの対象外で、5GBまでに限定される。もしそれ以上の容量が必要な場合は、有料プランとして、月額250円(年間2490円)の100GB、月額1300円(年間1万3800円)の1TB、月額2600円(年間2万7600円)の2TBなど、最大30TBまで用意されている。ちなみに30TBの場合、年額で41万4000円が必要となる。

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30TBのプランまで用意されている

 もし、ある程度圧縮されても問題ないのであれば、動画のみYouTubeを使う手もある。本来の使い方ではないが、公開設定として「非公開」が設けられており、動画をアップロードしても世界中に公開されることはない。しかも、Googleフォトと異なり、1ファイル最大128GBまたは12時間までアップロードでき、4K映像でも解像度はキープされる。ただし、自動バックアップといった機能はないため、毎回手動でアップロードする必要があるほか、今後何らかの仕様変更を受ける可能性も否定できない。

OneDriveにiCloud……クラウドストレージサービス

 Google OneやAmazon Photosに追加料金を払うのであれば、他のクラウドストレージも選択肢として出てくる。もし、マイクロソフトの「Microsoft 365 Personal」のユーザーであれば、クラウドストレージ「OneDrive」の1TBが付与されている。

 月額1284円(年間1万2984円)と、Google Oneなら2TBが契約できる価格ではあるが、「Word」や「Excel」、「PowerPoint」などの定番ソフトを、Windows、Mac、iOS、Androidデバイスにインストール可能。同時に5台までサインインできる。なお、OneDriveのみ利用したい場合は、月額224円の100GBプランが用意されている。

 OneDriveのアプリには、写真とビデオを自動でアップロードする「カメラアップロード」機能が内蔵されている。iOSであれば、「Appのバックグラウンド更新」を有効にすることで、アプリを閉じているときでも写真・動画の自動アップロードが可能になる(ただし、無料版を使った個人的な感想では、複数ファイルのダウンロードに非常に時間がかかったりとOneDriveにはあまり良い印象がない)。

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Officeアプリと1TBのストレージがセットになった「Microsoft 365 Personal」はコストパフォーマンスが高い

 iPhone/iPadのみでGoogleフォトを使っているユーザーであれば、「iCloud」を検討するのも良いだろう。iOSやmacOSに統合されているため、データの連携が非常にスムーズなほか、iOSデバイスのバックアップ先としても使うことができる。なお、Windowsアプリは用意されているものの、Androidアプリは存在しない模様。複数のOSでデータ連携したい場合は、少し使いづらい点に注意したい。

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AppleはAndroid向けにiCloudアプリを提供していない

 プランは、月額130円の50GB、月額400円の200GB、月額1300円の2TBが用意されているほか、クラウドパッケージ「Apple One」の提供も開始している。これは、Apple Music、Apple Arcade、Apple tv+、iCloudをセットにすることで割安で利用できるというもの。iCloudが50GBのプランは月額1100円、200GBのプランは月額1850円となる(日本では2TBプランは未提供)。iCloud目当てで契約するプランではないが、もしApple Musicなどを別途契約しているユーザーであれば、一考の余地はありそうだ。

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AppleのサブスクサービスとiCloudがセットになった「Apple One」

最終兵器「NAS」

 もし、大量の動画など、容量の大きなデータを扱うのであれば、自宅にNAS(ネットワークに接続されたストレージ)を導入するのも手だろう。最近のNASでは大半がモバイルアプリを用意しており、自動バックアップ機能などを搭載。NASを「パーソナルクラウド」として使うことができる。クラウドサービスではなかなか契約できない大容量の構成にできるほか、PCのバックアップやテレビの録画ストレージ先など使い方は幅広い。

 さらに、一部のメーカーでは写真機能を強化したモデルも登場間近のようだ。例えば、Synologyが提供予定のNAS向けOS「DSM 7.0」では、「Synology Photos」という写真アプリが搭載される予定だ。このアプリは、NASにアップロードされた写真を分析して、人物別のグルーピングやジオタグからロケーションごとに分類するという。同社では、「DS Photo」など、外出先からでも閲覧・自動バックアップが可能なスマートフォンアプリを提供しているが、AIの自動タグ付けによる検索機能の強化にも期待したい。

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外出先から自宅のNASにアクセスできるスマートフォンアプリを用意するNASも珍しくない。写真は、Synologyが提供する「DS Photo」

 ただし、NASは初期投資+固定回線費用+電気代がかかるほか、冗長性を持たせてあるクラウドサービスと異なり、機器の故障や被災リスクが高くなる点に注意したい。NASの中には、自動でクラウドサービスにバックアップする機能を搭載しているモデルもあるので、大切なデータなど種類に応じてNASのみ、あるいはNAS+クラウドサービスの併用と使い分けるのも手だ。

 筆者の場合、Googleフォトには、歴代のスマートフォンで撮影してきた写真・動画に加え、デジタル一眼で撮影したオンライン上にないデータ(自宅の古いNASや外付けHDDに保管してあるものなど)もアップロードしてあり、多少画質が劣化しているとしても、スマートフォンから簡単にアクセスできる総合ライブラリとして重宝していた。6月1日以降もすでにアップロードされた写真や動画に関しては引き続き保存されるため、こうした写真については影響はないと安堵しつつも、Google Oneへの課金、あるいは他サービスへの移行も含め、もう少し悩みそうだ。

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