デザイナーのデザインをアプリに確実に実装できると謳うのが「InSync」だ。これは、デザイナーとエンジニアの連携を強化するもので、エンジニアが開発中のアプリやサイトのデザインをAdobe XDで読み込み、デザイナー側で修正することができる。変更箇所は、エンジニア側のライブラリに書き出され、修正箇所が確実に反映されるという。
Typographic Brushは、ブラシツールを使ってスタイラスで書いた文字をさまざまなフォントで再現できる技術。ブラシで入力したストロークなど文字属性を維持でき、Creative Cloudの各製品でユーザー自身のスタイルを再現。テキストとして入力したり、英語フォント以外(デモでは日本語フォントを使用)にも適用できる。
スマートフォンで撮影したマテリアルの写真を、Adobe Senseiを使って高精度な3Dテクスチャとして再現するのが「Material World」だ。デモでは、布をキャプチャし、網目の影や刺繍の濃淡を再現。法線マップと高さマップで記録したほか、石、木材なども再現。現実のマテリアルをもとに、短時間で質の高い3D空間を構築できるという。
On The Beatは、音楽のビートに合わせてダンスしているかのように動画のタイミングを補正する技術。ダンス動画以外にも、動きのある動画であればアルゴリズムが被写体のボーンを生成して動きのポイントを検出。音楽のビートとリアルタイムでマッチできる。複数の動画で全員を同じリズムで踊らせることも可能だ。
重力のある現実世界のように3Dモデルを配置できるのが「Physics Whiz」だ。通常、3D空間にオブジェクトを配置する際、それぞれの3Dモデルは干渉せず、重力も働かないため現実世界のように3Dモデルを積み重ねたり、立て掛けたりといった配置に苦労するケースが多い。この技術では、物理演算を常時かけている状態で、まるで現実世界に3Dオブジェクトを置くような感覚で配置できる。
AR機能は一般的に、単一デバイスで利用することが多く、複数人が違う方向からAR内の同一オブジェクトを見ることはなかなか難しいが、それを実現するのが「ARTogether」。スマートフォンのみで、AR空間に配置したオブジェクトを複数人で閲覧できるだけでなく、お互いが自由に再配置することができる。ARコンテンツの共同作業などに発展できそうな技術だ。
以上がSneaksで発表された10の新技術となる。正直なところ、Comic Blastを除いて、例年ほどのインパクトの大きさはなかったものの、どれも実用的かつ利便性の高い機能が多かった印象だ。すべての機能がアドビ製品に搭載されるわけではないものの、UI周り含め作り込まれたデモも多く、早いタイミングでの実装に期待したい。
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