農業は、とりわけ予測の立てにくい産業ですが、テクノロジーを利用することで、そこに起因する課題を軽減し、農場経営を大幅に安定させることができます。
従来、農作業は農場単位で処理されるのが一般的でした。同じ農場内でも区画によって条件は異なるにもかかわらず、作付けも育成も収穫も、農場全体で画一的に行われていたのです。今では、農場の区画ごとの条件や必要性に応じて、各区画を管理することが、テクノロジーによって可能になっています。
そのようなテクノロジーを実際に使っている好例のひとつが、除草剤の散布です。これも、従来は農場全体を通じて一律に行われていましたが、コンピュータービジョン、機械学習、ロボティクス技術を組み合わせることで、画一的な散布は過去のものになりました。当社の「See and Spray」技術は、ちょうど現在テストしているところですが、高精度なロボティクス機能によって、雑草が生えている場所にだけ除草剤を散布することができます。これなら、除草剤の使用量が減ってコストの削減になりますし、必要な場所にしか使用しないので持続可能性も向上します。
--ロボットとAIは、どのくらいの規模の農業に最も適していますか。家族経営規模の農場にも利用できそうでしょうか、それとも、まだそれは先のことでしょうか。
当社は、あらゆる規模の顧客を抱えています。ニーズは多種多様なので、ロボティクス技術の採用に、ひとつですべての規模に対応するようなアプローチはありません。
大規模な農場でロボティクス技術を利用すれば多くの問題を解決できることは、既にお答えしたとおりです。一方、それほど一般的ではありませんが、もっと小さい家族経営規模の農場にハイテクソリューションを導入するケースも増え始めています。ロボティクス技術の導入に成功した格好の例が、酪農です。2016年、搾乳ロボットの市場規模は推定10億ドル弱でした。現在はさらに成長しつつあり、2020年~2024年の間に4億6000万ドル以上も増加するとみられています。
以上のすべてに共通しているのは、農場の規模や収穫高にかかわらず、テクノロジーは、それ自体を目的に導入するものではないということです。顧客に価値をもたらすものでなくてはなりません。経済的に可能であり、価値が大きいとなれば、あらゆる規模の農場がテクノロジーを採用する可能性があると言えます。
--農業用の産業オートメーション技術が、コンシューマー製品に導入される見込みはありますか。それは、今後どのように変化していくでしょうか。
農業オートメーションの一般化に伴って、規模を縮小したソリューションが、ガーデニングやふだんの芝の手入れといった小規模な作業にも普及するでしょう。そうした需要は既に、雑草管理にも使えるロボット芝刈り機の試作機という形で現れ始めています。
--ロボットとAIという観点から見て、農場経営は今後どうなっていくのでしょうか。
将来的に、自動化される作業が増えていくでしょう。機器のスマート化が進んで、農場経営者は土地の1区画ごとのニーズに対処できるようになります。個々の作業の自律化が進むので、これからの農場は経済的になり、環境的に持続可能性が高くなります。農業生産の成果が年々向上することにもつながります。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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