エーアイエージェントは10月1日、スキンケアAIパーソナライズサービス「AI 美容部員」(β版)の提供を開始したと発表した。対応OSは、iOS13以上。
AI美容部員は、アプリを通じていつでもどこでも無料で美容カウンセリングを受けられるサービス。日本中のスキンケア化粧品約12万点の中から、メーカーの垣根を超えて、ひとりひとりに最適な商品(3点)をAIがレコメンドするのが特徴だ。
おすすめされた化粧品は、SNS上に投稿されている商品の口コミがまとめて表示されるため、複数のレビューをもとにさらに自己判断ができる。
さらにおすすめされた製品を実際に購入して使用し、肌に合わない・肌が荒れたなど万が一のことがあった場合には、購入代金を全額返金する「全額返金保証制度」も特徴の一つだ。ただし、対象の商品に限られる。
エーアイエージェント 代表取締役の松本剛徹氏は、富士通、DeNAを経て25歳でD2Cモデルの化粧品/健康食品を販売する通販会社を起業した経験を持つ。そうした中で、「世の中全般を見渡すと、いいものに出会えていない人や口コミを信じて買ったけれど……といった思いを持つ人もいる。そうした経験があって、今回のサービスを立ち上げた」と語った。
類似するサービスの中には、スマートフォンのカメラなどを使用して肌の状態を判断するものもある。AI美容部員では、しばらくはそうした機器を取り入れる予定はないという。その理由について、肌の状態は光の状態で変わるからだと説明する。「ツールを使わずに、どうやってその人に合ったものを予測できるか。カウンセリングのやりかた、質問のしかたなどを加味して今回のAIを作り上げている」(松本氏)と説明する。
自分の肌悩みや肌質に合った良い商品に、楽に、早く、簡単に出会えるという利便性をパーソナルAI技術で実現し、利用者数日本No.1の美容アプリを目指す。
同社によると、国内の化粧品市場は2兆6490億円(2018年)、その約半分の売上をスキンケアが占めており、通販化粧品市場では4292億円(2018年)のうち、約77%をスキンケアが占有。メイクアップやヘアケアよりも、基礎化粧品として多くの人がスキンケアに費用を費やしているという。
また、スキンケアの目的は「トラブルのない肌にすること」「肌状態を保ち、理想の肌を目指すこと」。そして、多くの人の悩みは「肌トラブル時の対処」になるという。肌トラブルや悩みが生じた時に相談する先として、百貨店などのリアル店舗で働く美容部員が挙げられるが、実際に美容部員に相談する人は約18%、多くの人が友人やネットでの検索を行うほか、約20%の人が相談しないという結果が出ている。
その理由として、「敷居が高い」「特定メーカーのおすすめ商品になってしまう」「男性はリアルな場で相談できない」といったものが挙げられている。
また、ネット通販でのスキンケア商品購入において、多くの人が「購入に迷った経験」や「口コミや友達からのお勧めで失敗した経験」といった経験をしているという。
同社によると、新型コロナウィルスによる影響が長引く中、化粧品業界が受ける影響は甚大であり、Withコロナ時代における化粧品業界のDX推進、ニューノーマル(新しい常識・状況)の在り方をAI美容部員で推進していくとしている。
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