自動運転システムのティアフォーが3位に--2020年8月の資金調達・時価総額ランキング

 フォースタートアップスは9月9日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2020年1月から8月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。

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 それによると、ティアフォーが総額98億円の資金調達を実施し、2020年の累計資金調達額で3位にランクインした。また、ヘイは70億円以上の資金調達を実施し、4位に新規ランクインしている。そのほか、「空飛ぶクルマ」を開発するSkyDriveが39億円の資金調達を実施し、14位となっている。

 自動運転システム用オープンソフトウェア「Autoware」を運営するティアフォーは、SOMPOホールディングスによる第三者割当増資の引受と、株式取得により98億円の資金調達を実施。これにより、ティアフォーは、SOMPOホールディングスの関連会社となった。今後は、自動運転技術の社会実装に向けて、両社で開発を進めていく見込み。

 キャッシュレス決済サービス「Coiney」などを手掛けるヘイは、米投資会社のBain Capital、香港投資会社のAnatole、ゴールドマン・サックス、PayPal、YJキャピタル、WiLを引受先とする第三者割当増資を実行し、シリーズEラウンドで総額70億円以上の資金調達を実施している。また、オンライン予約システムを開発するクービックの全株式を取得し、グループ化。今後は、製品開発と優秀な人材の採用などをさらに進めていく見込み。

 日本初となる空飛ぶクルマを開発するSkyDriveは、日本政策投資銀行、ENEOSイノベーションパートナーズ、STRIVE、ペリサーブ、三井住友ファイナンス&リース、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、伊藤忠商事、大林組、日本電気、環境エネルギー投資から、シリーズBラウンドで39億円の資金調達を実施。この資金調達により、「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」の技術開発と事業開発をさらに進めていくという。

 カテゴリー別にみると、金融が4社と最も多く、環境・エネルギーが3社、自動車が3社、コンテンツが2社と続く結果となった。ティアフォーとSkyDriveが先月の資金調達によりランクインしたことで、Mobility Technologiesを加えて、自動車カテゴリーは3社となり、ランキング上位3社のうち2社を占める結果となっている。

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 また、今回ランクインした企業のうち、Mobility Technologies、VPP Japan、ティアフォー、ヘイ、Looop、Paidy、FiNC Technologies、ispaceの8社が累計調達金額100億円を突破。ランクイン企業のうち、設立5年以内の企業は全体の半数を超える11社となっている。中でも、VPP Japan、ティアフォーは設立5年以内で累計調達金額が100億円に到達しているという。

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スペースデブリ除去のアストロスケールホールディングスが浮上

 フォースタートアップスでは、9月2日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。それによると、前回(8月)のランキングで14位だった、スペースデブリ除去サービスに取り組むアストロスケールホールディングスが10位へ浮上。想定時価総額を483億円から229億円増加させ、712億円となった。

 9月現在、国内のユニコーン企業数は7社ある。そのほかで、もっともユニコーン企業に近いのは、8位にランクインしたモビリティDXカンパニーのMobility Technologies。同社は8月の想定時価総額(826億円)から増加し、およそ993億円となっている。

 引き続きトップは、ディープラーニングの研究やロボット開発などを手がけるPreferred Networks。同社は2位以下に続く、クリーンエネルギーの研究を行うクリーンプラネット、ニュースアプリ「SmartNews」の運営を行うスマートニュースと想定時価総額で比較すると、およそ3倍の規模になるという。

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 想定時価総額ランキング上位の企業の累計資金調達額をみると、トップがMobility Technologiesで395.2億円、次いで人工合成クモ糸「クモノス(QMONOS)」の開発を手掛けるSpiberが355.8億円、カンタン決済サービス「Paidy」を提供するPaidyが303.5億円と続く。また、オープンソースの自動運転OSを開発するティアフォーが、約222.7億円の資金を集めている。

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 カテゴリー別にみると、先月と同様に環境・エネルギーと金融領域が最も多く、4社ずつランクインし、自動車領域が3社でこれらに続く結果となった。

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 日本国内のスタートアップにおける想定時価総額ランキング上位企業の中では、環境・エネルギー分野に属する企業数が多く、4社の累計調達額はおよそ262.3億円となった。この要因のひとつとして、近年、世界的にESG投資が増加傾向にあることが考えられるという。

 なお、環境・エネルギーのカテゴリーに含まれる企業は、クリーンエネルギーの研究を行うクリーンプラネット、紙・プラスチックの代替となる世界初の新素材「LIMEX」を開発・製造・販売するTBM、電力小売プラットホーム「Panair Cloud」を開発するパネイル、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービスを提供するLooopの4社となる。

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