E・マスク氏、火星ロケット「Starship」用のブースター試作開始を示唆

Eric Mack (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 高橋朋子 (ガリレオ)2020年09月01日 11時37分

 SpaceXが開発するロケット「Starship」は、最新プロトタイプがようやく500フィート(約150m)の高度まで飛行したところだが、最高経営責任者(CEO)のElon Musk氏は米国時間8月31日、このStarshipに用いるブースターのプロトタイプ作成を今週中にも開始する可能性を示唆した。

2018年9月にSpaceXが公開した画像
2018年9月にSpaceXが公開した画像
提供:SpaceX

 「これは素晴らしいものになる」と、2020年はオンライン開催となった年次会議「The Humans to Mars Summit」の基調インタビューでMusk氏は述べた。

 SpaceXは、Starshipロケットを使って人類を月や火星、さらにその向こうまで運ぶことを目指しているが、これら深宇宙の目的地まで到達するために「Super Heavy」と呼ばれる強力な1段目ブースターを組み合わせることを計画している。現時点でわれわれが目にしたのは、Starshipの初期プロトタイプが短いテスト飛行(「ホップ」飛行)を行う様子のみだ。

 なおSuper Heavyは当初の計画よりも少ない、おそらく31基ではなく28基の「Raptor」エンジンを搭載することになるとMusk氏は明かしている。

 「それでもエンジンの搭載数は多い。今後はこれらエンジンの推進力を強化していく」(Musk氏)

 Raptorは最終的に自重の200倍まで持ち上げることも不可能ではないとMusk氏は考えている。

 Starshipのプロトタイプがホップ飛行以上の高度に到達する時期について、Musk氏は「おそらく来年」との予測を口にし、期待値をやや抑えるようにこう語った。

 「初期のものはうまくいかないかもしれない。これは未知の領域だ。完全に再利用可能な軌道ロケットをこれまで誰も開発したことはなく(中略)『Saturn V』(宇宙飛行士を月に送り込んだロケット)の2倍の大きさでしかも再利用可能だ(中略)これは既存のものとは根本から異なる。銀河系、あるいは少なくとも太陽系への入り口を開くものだ」(Musk氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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