米司法省は、企業秘密を盗む目的でサイバー攻撃を仕掛けたとして、2人の中国人ハッカーを起訴した。新型コロナウイルスのワクチンを開発する研究者などが標的になったという。
米国時間7月21日に公開された起訴状によると、司法省は中国国籍のLi Xiaoyu被告とDong Jiazhi被告を、中国政府の指示でハッキングを仕掛けたとして起訴した。被告らは、新型コロナウイルスのワクチンを開発する企業らのネットワークに存在する脆弱性を調査していたという。
新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、被告らは、ゲームソフトウェアメーカー、製薬会社、ハイテク企業など、さまざまな業界を標的にハッキングを仕掛けていたと、起訴状には記されている。司法省によると、最初の攻撃はワシントン州ハンフォードで発見されたという。米国、オーストラリア、ベルギー、ドイツ、日本、英国、韓国などの国が標的になった。検察によると、被告らは10年以上にわたり企業秘密の窃盗に手を染めていたという。
検察は、両被告が「『数億ドル』相当の企業秘密や知的財産などの貴重な企業情報」を盗んだと述べた。標的には、防衛関連の請負業者や、軍事衛星プログラム関連の情報も含まれていたという。
起訴状によると、被告らは、修正されていない既知の脆弱性や、中国政府によって提供された新たに発見されたセキュリティ上の不具合を利用していたという。
「中国の情報機関の支援を受けた、米国と米国の国際的パートナー諸国に対するこのハッキング活動の規模と範囲は、われわれが今日直面する他のいかなる脅威とも異なる」と、米連邦捜査局(FBI)のDavid Bowdich副局長は21日の記者会見で述べた。
被告らは、香港のデモ主催者、天安門事件の抗議者、香港の民主化を推進した2人のカナダ居住者など、中国反体制派に対する中国政府の諜報活動も支援していた。
起訴状には、この2人の中国人ハッカーが、米空軍やFBIとのプロジェクトに関連する文書など、テラバイト単位のデータを米国のハイテク企業から盗んだと記されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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