Zoom Video Communicationsは米国時間7月7日、ビデオ会議ハードウェアメーカー4社と提携し、Zoomのソフトウェアを導入済みのハードウェアを月額料金のみでサービスとして利用できる、「Zoom Hardware as a Service(HaaS)」の提供を米国で開始した。この製品は、企業がより手軽に「Zoom Rooms」や「Zoom Phone」を利用できるようにすることを目指している。
ハードウェアを提供するのは、DTEN、Neat、Poly、Yealinkの4社だ。利用者側が負担するのは定額の月額料金だけで、料金はハードウェアの機種やZoomから受けるサポートの種類によって変わる。NeatとDTENには、以前からZoom専用に設計されたハードウェアを提供していた経緯がある。Zoomのビデオ会議サービスは、新型コロナウイルスの感染拡大によりリモートワークが増え、需要が大きく拡大したことで有名になった。
今回の取り組みの背景には、2019年12月にLifesizeが「Rooms-as-a-Service」をリリースしたことがある。LifesizeのRooms-as-a-Serviceも、ハードウェアとソフトウェアをサービスとして一体として提供するもので、利用料金は最も安価な小規模会議室向けが月額99ドル(約1万1000円)、最上位サービスの会議室向けが月額199ドル(約2万1000円)となっている。ただしLifesizeは、ハードウェアとソフトウェアの両方に自社製のものを使用している。
ポイントとなるのは、今後、ビデオ会議業界の多くの企業が、同様の「サービスとしてのハードウェア」プランの提供に参画する可能性が高いということだ。Cisco WebExなどもサブスクリプションプランを提供する可能性が高く、「Microsoft Teams」も、Microsoftが抱えているハードウェアエコシステムや、Dell、HP、レノボなどのメーカーとパートナーシップを組んでくるだろう。「Google Meet」はすでに「G Suite」のサブスクリプションにバンドルされているが、ハードウェアメーカーと協力することは可能であり、「Amazon Chime」にも同じことが言える。
Zoom HaaSの利用料金は、ハードウェアによって異なる。例えばZoom Phoneの場合、「Poly VVX 250」であれば月額5.99ドル(約640円)だが、「Yearlink CP960」は月額50ドル(約5400円)だ。Zoom HaaSの料金には、ソフトウェアのライセンス費用は含まれていない。
Zoom Rooms HaaSの料金は、全般的にZoom Phoneよりも高くなっている。Zoom Rooms用ハードウェアの場合、「Neat.Pad」コントローラー付きの「Neat.bar」は月額110ドル(約1万2000円)であり、Polyの製品は月額100~150ドル(約1万1000~約1万6000円)となっている。
Zoom HaaSには、他の「サービスとしてのXX」と同じように、初期費用が少なく、経費が事前に予想しやすく、スケールアップやスケールダウンが容易で、サポートも受けられるという利点がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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