ソニーの「PlayStation 4」と、Microsoftの「Xbox One」は、7年前の2013年に登場した。どちらもほぼ黒一色、リビングルームになじむようなデザインで、PlayStation 4は平行四辺形、Xbox Oneは長方形だった。
「PlayStation 5」と「Xbox Series X」が年内に店頭に並ぶ際には、目を引くことは間違いない。新しいXboxは縦型の四角柱になり、上面から鮮やかなネオングリーンのファンが見える。
一方のPlayStation 5は、2枚の白いパネルで黒い本体を挟んだような形だ。まさにソニーの未来的なゲームの世界から抜け出してきたようなデザインで、白いパネルの内側に反射する印象的なブルーのライトが、その未来感をさらに引き立てている。
「大胆で、ほとんど無謀とも言えることをしたかった。目指したのは、前を向き、未来を向くもの、そして2020年代にふさわしいものだった」。PlayStationを手がけるソニー・インタラクティブエンタテインメントの最高経営責任者(CEO)、Jim Ryan氏は、米国時間6月11日の発表会後、米CNETのインタビューに応じて、このように話している。
発表会は、ホリデーシーズンを前にPlayStation 5が発売される数カ月前というタイミングで開催された。ソニーもMicrosoftも、次世代ゲーム機では、それぞれのゲームがさらにビジュアルな迫力を増すことになる。ソニーが11日に披露したゲームの世界は、都会の喧噪や青々と続く草地など多彩をきわめ、草地には草木や葉が無限に重なり合うように見えた。
だが、ゲームメーカーはビジュアルだけでは成功できない。ソニーは、ファンの多いゲームシリーズの新作も投入する予定で、アクションアドベンチャー「Marvel's Spider-Man」(2018年)の続編「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」や、未来を舞台にしたロールプレイングゲーム「Horizon Zero Dawn」(2017年)の続編「Horizon Forbidden West」が控えている。どちらも、前作の終わりから始まるが、新キャラクターも登場する。Horizon Forbidden Westのリリース日は未定だが、Marvel's Spider-Man: Miles Moralesの方は、PlayStation 5本体との同時発売が決まっている。
PlayStation 5のデザインは、ソニーの信念を端的に表すよう意図されている。内部のテクノロジーと、それによって動くゲームも、外見と同じぐらい目を引くものでなければならないという信念だ。Ryan氏は、「現行世代からの飛躍的な進化」というようなやや大げさな表現を使い、ゲームは「絵も音も感覚も画期的なものになる」と語っている。
同氏は、PlayStation 5の白黒のデザインは、発売時点でのカラーバージョンだとも語った。
価格はどうなるか、ディスクなしのオールデジタルモデルの方が安くなるのかどうか、そして何より発売時期がいつになるかについて、Ryan氏は明言を避けた。だが、全世界で企業活動に甚大な影響をもたらしている新型コロナウイルスの余波はあまりなく、製造は予定どおりに進んでいるとも述べている(新型コロナウイルスの被害は、16日時点で感染者数800万人、死者43万人以上に及んでいる)。
経済の状況が依然として不透明で、廃業に追い込まれる店舗も出てきているなか、ソニーは小売業者と連携して、予約注文のプロセスをできるだけスムーズに進められるよう図っている、とRyan氏。「業者と協力して、PlayStationを欲しがっている消費者の皆さんの手元に確実に届けられる方策を見つけられると信じている」
ソニーは、これから秋のPlayStation 5発売までの間に、さらにイベントを計画していると重ねて話しており、そのなかで価格や発売日などの詳細も発表するとしている。仮想現実(VR)ヘッドセット「PlayStation VR」と、定額制クラウドゲームサービス「PlayStation Now」の今後について、またオールデジタルモデルの購入者に対するディスク下取りプログラムを予定しているかどうかについては、Ryan氏は触れようとしなかった。
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