Facebook従業員がストライキ--トランプ大統領の投稿を放置する対応に抗議

Queenie Wong (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 高橋朋子 (ガリレオ)2020年06月02日 11時30分

 暴力を扇動するおそれがあるDonald Trump米大統領の投稿を放置しているとして、Facebookの従業員が自社に抗議する異例の事態が起きている。週末にかけてTwitterで自社を公然と批判していた従業員たちは、さらに非難の姿勢を強め、バーチャルストライキを決行し、抗議の意味で職場用のプロフィール画像を変更するといった行動に出ている。

Facebook
提供:Angela Lang/CNET

 Facebookは政治的コンテンツに対してほぼ無干渉の姿勢をとっており、これまでも従業員から批判されてきた。しかし、ライバルのTwitterとは対照的に、Trump大統領の投稿に対して何も手を打たないFacebookに寄せられる社内からの批判は、ここへきて新たな高まりをみせている。

 Twitterは先週、Trump大統領の郵便投票に関するツイートに「誤解を招くおそれがある情報」を含んでいるとしてラベルを追加した。さらに後日、大統領のツイートが「暴力の賛美」についての同社のルールに違反しているという警告を添えて非表示にした。このツイートで、Trump大統領は「略奪が始まる時、発砲が始まる」などとしていた。ミネソタ州の黒人男性George Floydさんが警官による拘束中に死亡したことに対する抗議運動が広がっていることを受けて投稿したものだった。

 Facebookは、「特定の害や危険の差し迫ったリスクをもたらす」恐れがある内容を禁止するルールに違反するものではないと判断し、Trump大統領の投稿を残していたが、Twitterが同じ発言に対して下した解釈とは対照的だ。

 このFacebookの判断に対し、従業員数百人が米国時間6月1日、抗議者のサポートを理由に休暇を申請し、その日の仕事を休むという形で「バーチャルストライキ」を決行したと報じられている。さらにThe New York Timesの報道によると、従業員らはTrump大統領の投稿に対するFacebookの姿勢に抗議を示すため、仕事を休むとする自動メッセージを電子メールに追加したという。

 また、Twitterを通じて抗議の意を示すFacebookの従業員もおり、自社を公然と批判する手段としては異例のことだ。

 Facebook傘下のInstagramのプロダクトマネージャーKatie Zhu氏は、休暇申請のスクリーンショットをTwitterで共有した。「#BLACKLIVESMATTER」としている。

BlackLivesMatter

 Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏に賛同できないとしている従業員もいる。

 一部の従業員は、Facebookが取るべき対応はわからないが、何もしないことには納得できないとしている。

 Facebookは声明で、「われわれは、特に私たちの黒人のコミュニティについて多くの人々が現在感じている痛みを認識している。われわれは、従業員がリーダーシップに賛同できない時に、オープンに話すことを推奨する。コンテンツについて、今後さらなる難しい判断に直面する中、われわれは彼らの正直なフィードバックを求めていく」としている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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