Instagramの元エンジニアリングディレクターが開発した「ThisWordDoesNotExist.com」(サイト名は「この単語は存在しない」の意味)は、人工知能(AI)によって創作された英単語を、妙に説得力のある辞書形式の定義とともに表示するサイトだ。
このサイトのおかげで、筆者の語彙は格段に広がった。例をいくつか挙げてみよう。「heapslepper」は、「何かから飛び出す、鉄やガラス、または似たような素材の小さな破片」のことだ。「triuplex」は「黒くて長い毛の、爪先が2つに割れた四肢動物に似た登山犬」で、これは筆者が昨夜見た悪夢に出てきた。「bobweiser」は「何かの品質をチェックするのが仕事の人」で、求職者にとっては幸いなことに、Bobという名前である必要はない。こうした語義の後には必ず2つ目の説明として、「存在しない単語であり、機械学習のアルゴリズムによって考案、定義、使用された」と表示される。
サイトを作成したのはソフトウェアエンジニアのThomas Dimson氏で、インターネットから抽出したテキストを基に次の文章を予測するニューラルネット「GPT-2」を利用した。GPT-2の開発元である非営利のAI研究グループOpenAIによると、「GPT-2はシンプルな目的を持って訓練されており、その目的とは、テキストに出てきたそれまでのすべての単語を考慮して次の単語を予測することだ」という。GPT-2は、800万件のウェブページから抽出したデータセットを使って訓練された。
Dimson氏は2月にInstagramを退職し、AIを手がける新会社の名前を考えていた際に、ThisWordDoesNotExist.comのアイデアを思いついたという。タスクに役立つアルゴリズムを訓練することに決めてから、「アルゴリズムを構築する中で、訓練用のデータとして辞書を使うことを思いつき、無作為に単語を作れることを発見した」と、同氏は筆者に話した。
Dimson氏のサイトでは、自分で適当なつづりの単語を入力して、その都度AIが生成する定義を表示させることもできる。
筆者が「qwertyuiop」と入力してみたところ、その意味は「トンガを起源とする甲高い音で、主に子どもに話しかける際に使われる」と表示された。「lockdownfever」は北米の熱帯植物で、鮮やかな花が咲くのだそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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