学校で「オンライン授業」が始まるもトラブル報告相次ぐ--Classiはアクセス集中でエラーに

 5月11日から「オンライン授業」が開始された大学や高校が多いようだ。Twitterでは同日の午前中から「オンライン授業」「Zoom」などがトレンド入りしている。多くの学生がその体験内容を投稿しているが、配信環境が十分に整っていない状態で開始した学校や生徒も多いためか、トラブル報告が相次いでいる。

 配信ツールについては、ビデオ会議サービス「Zoom」や「Google Meet」などを活用しているようだが、視聴した学生から多くみられる投稿が、自宅のWi-Fiが弱く画質が悪かったり、そもそも学校側のカメラの設定でピントが合っておらず、「先生が書いている文字が読めない」というもの。また、先生の声が聞き取りにくい、先生がマイクをオフにしたままで無音だったといった投稿も見られ、初回のオンライン授業には課題が残る学校もあったようだ。

 そして「オンライン授業」とともにTwitterトレンドで上位に入っているのが「Classi」だ。これは、ベネッセホールディングスとソフトバンクの合弁会社であるClassiが、高校を中心とした教育機関向けに提供している学習支援プラットフォーム「Classi(クラッシー)」のこと。全国の高校の2500校超、116万人が利用しているが(2019年5月時点)、オンライン授業の開始にともないアクセスが集中し、エラーが起きているようだ。

「Classi」
「Classi」

 Classiは、テスト結果や学習履歴など、生徒の学びに関する記録を一元管理できるほか、生徒の得意・苦手にあわせた学習動画や問題をレコメンドする機能なども持つ。ホームルームでの連絡や、日々の会議などに活用することも可能だ。今回、オンライン授業の時間割をClassiで共有している学校もあるようで、「エラーで時間割が見られない」という投稿も見つかる。

 Classi広報によれば、緊急事態宣言による全国的な休校措置の影響で、この1カ月間は既存ユーザーの日常的なアクセス増と、特定の時間のアクセス集中により、つながりにくい事象が起こっているとのこと。

 また、以前は学校に生徒が登校できていたため日常的には使われていなかったが、休校になってからは、Classiの「校内グループ機能において先生からの投稿を生徒・保護者が閲覧する機能」「アンケート機能を利用した健康・検温調査」などが、大量に使われようになったこともアクセス増加の要因の1つと考えられると説明する。

 現在、この状況の解消に向けて、サービス保守運営体制を大幅に増員し、問題の分析と改善に取り組んでいるという。具体的には、同社のデータ分析の専門家をアサインし、日々変化するアクセスログやデータの流れを分析。分析結果により判明した箇所から順に処理の最適化や改修作業を進めているとのこと。また、中長期で同件に携わる対策チームを新たに立ち上げ、日々の不具合の改善と並行して、問題の解消を進めていくとしている。

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