この特集「十人十色のテレワーク」では、これまでオフィスを中心に仕事をしてきたビジネスパーソンが、いかにして自宅でテレワークの環境を作っているのか。また、外出自粛が長引く中、どのような工夫をしてテレワークを楽しんでいるのかを、実体験をもとに紹介していく。
今回は、顧客体験分析ツール「コンテントスクエア」などを提供する、ギャプライズの執行役員 広報ブランド戦略室 室長である鈴木隆司氏に、同社がチーム作りで活用している「オンライン地元紹介」について解説してもらった。以下は、鈴木氏による寄稿である。
弊社(ギャプライズ)では社内コミュニケーション活性化の一環で、「横軸チーム」という役職や契約形態、事業部をごちゃまぜにしたグループがあり、その中でランチや飲み会などを開催すると補助が出る福利厚生がある。リモートワーク中もこの制度を使ってコミュニケーションを図っているが、その中でも特に盛り上がった企画が「オンライン地元紹介」だ。
今回、グループがシャッフルされ新たな編成になったこともあって、初めましてなメンバーも多く、会話の糸口を皆で探していた。そんな中、1人のメンバーがいま住んでいる駅の近くにある親子丼が美味しいと、Googleストリートビューを使ってお勧めのランチスポットを共有したことを皮切りに、メンバーが順番に地元の観光スポットを紹介する流れに。結果、皆の思い出話へと発展していった。
よく自己紹介の際に「自分はすごい田舎出身で」「私の通ってた高校は校舎が宮殿みたいだった」などと言われるが、実際のビジュアルがないとイメージしづらいもの。しかし、Googleストリートビューで実際に通った通学路などを思い出とともにたどると没入感がすごく、聞いている方も「めちゃくちゃ宮殿w」「イメージしていたものと違った!」「通学路はうちの方が田舎だよ!」なんて会話がポンポンと弾み、実に面白い。
地元について説明していくうちに、さらに思い出が蘇り、話は当時利用していた美容室の紹介から、店主とのディープな思い出、初めてデートした場所にまで発展。紹介者が実際にデートで座った河原の場所を探しているうちに、あっという間にランチ時間が終わるという、想像以上の盛り上がりをみせた。
ビデオ会議では話をするのは主に1人で、他の参加者はみな聞くことに集中している。その環境は、実は話慣れていない人にとっては若干緊張するものであり、特に先輩や上司といった上下関係のある相手との会議だと発言もしにくい。
その点でこの「オンライン地元紹介」は思い出話としての共通項も見つけやすく、ビジュアルもついてくるとさらに話を膨らませるフックも生まれ、年齢や性別がバラバラでも会話を広げやすい。子どもの頃や学生時代の思い出話は人となりが見えてくる。これから打ち解けたいメンバー間での会話のきっかけとしてはとても便利なツールだと感じた。
ただし、盛り上げるためのテクニックとして、ちゃんと自分のエピソードを語れる場所を選ぶことは重要だ。また、Googleストリートビューには撮影日を選べる機能があり、最新のストリートビューから、場所やエリア(特に都市部)によっては10年ほど前までさかのぼることもできる。この機能と使って、過去と現在の街並みを見比べたりするのも楽しいだろう。
偶然にも生まれたオンライン地元紹介だが、思いのほか盛り上がったこともあり、今後は他の社内グループや外部のオンライン飲みなどでも活用してみたいと思う。たとえば、実際に地元の名産などをお取り寄せした上で集まる「地元の名物自慢会」や、今だとなかなか会えない、海外にいる友人と街を紹介しあう「バーチャル海外旅行」なども面白いかもしれない。
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