マサチューセッツ工科大学(MIT)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を支援するためにリリースした位置情報追跡アプリ「Private Kit: Safe Paths」について、米国の州政府と地方政府が評価作業を進めているという。MITの研究者が米国時間4月10日に明らかにした。
同アプリの開発に携わったMITのRamesh Raskar准教授は、次のように述べた。「われわれは多くのパイロット試験を行い、議論を重ねている。多くの行政区で協力を得ており、このソリューションを望ましい形に近づけている」
Safe Pathsは、スマートフォンの位置情報を取得するGPS技術を利用して、ユーザーが訪れた場所を記録する。COVID-19の検査で陽性になった人がいれば、医療機関が非公開データの位置情報記録を取得してアップロードすることで、他の人は自分の移動経路と重なっていないかどうかを確認できる。Raskar氏によると、Safe Pathsチームは、プライバシーを強化して医療従事者が扱いやすいものにするため、ハッシュ化と呼ばれる暗号化技術の追加に取り組んでいる。
モバイル機器の位置情報を利用するアプリは、接触者追跡の技術を変革する可能性を秘めている。この技術により当局は、感染元や次に感染するおそれのある場所をたどれるほか、他の有益な疫学的情報も得られる。従来は手作業での処理が一般的だったが、アプリによって処理を自動化できれば、大規模な実施が可能になる。GoogleとAppleは10日、濃厚接触の可能性を検出するソリューションの確立に共同で取り組むと発表した。
ただし、プライバシー上の懸念や、アプリの利用を推進する際の実務的問題によって、アプリの普及や効果が妨げられる可能性もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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