スマートフォンの画面は、縦長(ポートレート)と横長(ランドスケープ)のどちら向きで保持されているかに応じて、正しく見えるよう表示方向が決定される。一般的に、保持方向は加速度センサーやジャイロスコープなどから得る情報で決まる。ただし、ベッドやソファーに寝そべって持っていたり、テーブルの上に置いていたりする場合は、スマートフォンの向きを正しく認識できず、表示方向が不適切になることもある。
これに対しAppleは、ユーザーの顔の向きに合わせて画面の表示方向を決める技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間4月2日に「USING FACE DETECTION TO UPDATE USER INTERFACE ORIENTATION」(公開特許番号「US 2020/0104033 A1」)として公開された。出願日は2019年5月31日。
この特許は、表示画面を備える何らかのデバイスにおいて、デバイス上のカメラで取得したユーザーの顔画像から顔の向きを判断し、それに合わせて画面に出すユーザーインターフェイスの向きを決定する技術に関するもの。こう処理することで、デバイスをどのように置いても、ユーザーがどの方向からのぞき込んでも、画像に表示される情報はユーザーから見て正しい向きになる。
ユーザーの顔画像取得は、デバイスのロックを解除する顔認識処理の一環として処理する。また、何らかの目的でユーザーの顔を検出する必要がある場合にも、顔画像の取得が可能だ。
特許が適用可能なデバイスは、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、多岐にわたる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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