ソニーは3月27日、新型コロナウイルス感染拡大の影響について発表した。いくつかの工場で稼働を停止しており、製品の生産に支障が出ているほか、音楽、映画分野における影響が大きいとした。
現在、欧米を中心に一部地域のオフィスを閉鎖し、在宅勤務を実施中。日本などオフィスを稼働している国・地域においても原則として在宅勤務で対応しているという。
工場の稼働状況は、上海市に2カ所、江蘇省無錫市と広東省恵州市にそれぞれ1カ所ある中国の4工場で、2月9日までの間すべての工場を稼働停止。2月10日以降は順次稼働を再開しているとのこと。部品の供給問題は完全には解消していないものの、稼働は感染拡大前の水準に戻りつつある。
そのほか、マレーシアの2工場では、3月18日から4月14日(予定)まで稼働を停止。イギリスにある工場も3月26日から4月20日(予定)まで稼働を停止している。
各事業については、音楽分野で海外において、新曲のリリース遅れ、パッケージメディアのサプライチェーン分断、広告の減少や映画製作・テレビ番組制作の停止による楽曲ライセンスの減少などの影響が出はじめており、日本国内で主催する公演やイベントを延期もしくは中止。映画分野では、世界各地での映画館の閉鎖や、人の移動制限などにより、映画興行ビジネス全体に影響が生じ、上映中止や公開延期が起きるなど、エンターテインメント分野で影響が出ているとのこと。
エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野は、マレーシアの工場の稼働停止に加え、アジア地域の部品サプライヤーからの供給が不安定な状況になっているため、幅広い製品の生産に支障が出ており、外出制限や小売店の閉鎖を受けて、販売にも影響が出ている。
また、CMOSイメージセンサーの生産への影響は軽微とするイメージング&センシング・ソリューション分野では、主要顧客であるスマートフォンメーカーの中国におけるサプライチェーンの復旧に伴い、販売は正常に戻りつつあるが、今後はスマートフォンの製品市況の減速により、販売に影響が出る懸念があるとした。
ソニーでは、2月4日に発表した2020年3月期第3四半期決算短信で、連結業績見通しを上方修正しているが、説明会において「新型コロナウイルス感染拡大による影響は含んでおらず、今後の事態の進展によっては、上方修正を打ち消す規模の大きな影響が出る可能性も否定できない」とコメントしていた。
新型コロナウイルス感染拡大による連結業績への影響は、4月から始まる2021年3月期にも継続する見込みで、4月30日に予定している2020年3月期連結業績の発表は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により決算手続などに遅延が生じ、予定通りに発表できない可能性があるとしている。
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