スマートファクトリー構築やスマートエネルギー導入支援サービスなどを手掛けるFAプロダクツは2月25日、ミライネクトらと共同で、デジタルグリッドが提供するデジタルグリッドプラットフォーム(DGP)を利用したP2P電力取引実証プロジェクトを開始すると発表した。2020年運用開始を目指す。
今回のプロジェクトは、FAプロダクツを幹事企業として、ミライネクト(サービスプロバイダ)、デジタルグリッド(DGP運用・システム開発)、日東工業(DGC盤・電源設備提供)、徳倉建設と坂田建設(建設工事)の6社が参画。電力会社を介さず、民間企業間での電力取引は初の試みになるという。
FAプロダクツ 代表取締役社長の貴田義和氏は「エネルギー資源に乏しい日本にとって、エネルギー自給率の向上は長年の課題。東日本大震災をきっかけに分散エネルギーの重要性が指摘され、再生可能エネルギーの普及と共にエネルギーミックスが推進されてきた。近年のブロックチェーン技術の進歩は個人間の電力取引を可能にした。電気は選べる時代になり、ここにもデジタル化の波は押し寄せている。今回の実証プロジェクトを通して、知見と実績を獲得し、新たな再生可能エネルギー市場を創出したい」と思いを話した。
今回の実証実験は、供給者(発電事業者)と消費者(電力需要家)の相対電力取引を実証するもの。DGPのシステム検証、課題を抽出すると共に託送電力供給に関する送配電事業者との協議、接続実績を作る。そのほか、環境価値取引の証明、供給者と消費者の窓口となるサービスプロバイダの体制構築、DGPへのアクセスに必要なデジタルグリッドコントローラ(DGC)等の関連製品の製作・改良を目指す。電力供給は太陽光発電の最大活用を図り、その設備容量は150kWを予定している。
今回のプロジェクトを1stフェーズとし、終了後は2ndフェーズとして、DGP上での複数の供給者・消費者間でのスマートコントラクトの実証や蓄電システムを利用した再生可能エネルギー供給時間の延長等、ネットワークの拡大に必要な検証ステップへ移行していくとのこと。7〜8月を目処に発電所の建設やDGCを設置し、8月後半から実証試験に入る。
DGPの運用とシステム開発を担う、デジタルグリッドは、2017年に設立したスタートアップ。自社電源を持つ発電企業と、電力の需要企業をDGP上でP2Pレベルで紐付けることで、気軽に電力の売買が可能になるとしている。
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