自社データで“一次流通の活性化”狙うメルカリ--初のリアル店舗や無人ポストを発表 - (page 2)

メルカリの二次流通データで小売やメーカー活性化

 メルカリでは、サービス開始から約6年半で蓄積してきた、数十億規模の商品データ、ユーザーの属性・行動データなど、小売やメーカーがなど一次流通企業では得られない二次流通データを、ユーザーに許諾を得た上で一次流通企業に提供。各社が持つ商品データや顧客データと、メルカリのデータを組み合わせ、二次流通も含めた商品のライフサイクルやユーザーのインサイトを可視化することで、企業のマーケティングや商品企画、新規ソリューションなど、一次流通市場の活性化と新しい購買体験、顧客体験を創出したいという。

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メルカリの二次流通データを一次流通産業で活用

 データ連携は3パターンを想定。まずは、一次流通企業が持つユーザーIDと、メルカリのIDを連携し、双方のアカウントが保有する購入履歴を共有。一次流通企業は、メルカリ上での購入、検索、閲覧データを把握でき、自社ECや店鋪などで、顧客に合わせた商品提案が可能となる。

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一次流通企業が持つIDとメルカリIDを連携

 メルカリでは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師の山口真一氏との調査で、フリマサービスにより新品商品で約484億円の消費喚起効果があったと説明。不要となればフリマアプリで売れるという潜在意識が生まれ、新品購入のハードルが下がっているという。メルカリ側の行動データが取得できることで、一次流通側がフリマアプリ利用も想定したマーケティング施策を打つことができる。

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フリマアプリで約484億円の新品購入に寄与したという

 2つ目は地域データ連携。メルカリステーションやメルカリポストにて、ユーザーの発送エリア、利用時間帯など、オフラインのアクションデータをもとに、近隣店舗の利用を促進するという。また、商品発送で訪れたユーザーに対して、メルペイでの割引クーポンを発行することも可能となる。

 3つ目は、一次流通企業が持つ商品カタログデータをメルカリと連携することで、メルカリに出品されている商品と紐付け。メルカリ内での商品の動向データを確認できるようになるほか、ユーザーが出品する商品情報を入力する際にカタログデータと紐付けされることで、出品時の価格サジェストや情報入力が簡易化されるようになるという。

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一次流通側が商品カタログを提供することでメルカリ側との連携が容易に

データ連携パートナーは、丸井、アイスタイル、ドコモなど

 データ連携パートナーとして、メルカリステーションでも協業する丸井と提携。同社が運営するEC「マルイウェブチャネル」とデータ連携することで、メルカリ内の商品検索時にマルイウェブチャネルの商品を表示したり、ウェブチャネルで購入した商品をメルカリの「持ち物リスト」と連携することで、出品時の情報入寮を削減できるようになるという。また、「@cosme」を運営するアイスタイルと包括業務提携を結び、@cosmeが保有する化粧品の一次流通データと、メルカリのデータを連携。化粧品メーカーに対して、二次流通市場の可視化を目指す。

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「@cosme」との連携

 さらに、すでに発表されたNTTドコモとの業務提携も紹介。2020年5月にメルカリIDとドコモの「dアカウント」を連携し、将来的にはdポイント加盟店での購入履歴をメルカリと連携することで、購入した商品を簡単にメルカリに出品できるようにする計画。そのほか、両社のデータを結び、新しいマーケティング商材やフィンテック商材を開発。田面木氏は、二次流通データの提供により、「一次流通、小売、メーカーをエンパワーメントしたい」とし、「一次流通と二次流通の垣根を極力なくし、日本を活性化できたら」とビジョンを語った。

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将来的に「dポイント」の購買情報をメルカリと連携へ
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一次流通と二次流通の活性化を語った

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