メルカリ小泉会長、Origami買収しても「赤字幅は膨らまない」--国内は好調も海外は苦戦

  • 一覧
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 メルカリは2月6日、2020年6月期の第2四半期連結決算(2019年10~12月期)を発表した。売上高は184億円(前年同期比39%増)で、営業損益は68億円(前年同期はマイナス11億円のため、赤字幅が拡大)。フリマアプリ「メルカリ」の国内事業は堅調なものの、投資フェーズに位置付けられている決済サービス「メルペイ」と、メルカリの米国事業が赤字要因となる傾向が今期も続いている。

決算発表には、メルカリ取締役会長の小泉文明氏(左)、同執行役員CFOの長澤啓氏が出席した
決算発表には、メルカリ取締役会長の小泉文明氏(左)、同執行役員CFOの長澤啓氏が出席した

3本柱の1つ「メルカリ国内事業」は好調だが……

 現在のメルカリは、「日本国内でのメルカリ事業(以下、メルカリJP)」「メルペイ」「米国でのメルペイ事業(同メルカリUS)」を3本柱に位置付け、ビジネス拡大を図っている。全社的な売上規模の目安となる流通総額(GMV)は1683億円(連結)で、これは前年同期比で21%の増加だった。

決算サマリー
決算サマリー

 事業別では、メルカリJPの売上は144億円(前年同期比18%増)、調整後営業利益は45億円(同52%増)で、ともに過去最高額を記録。好調に推移した。調整後利益率は32%で、前期比7%の増加。広告宣伝費や人件費(採用の厳選化や販売管理費等)の見直しが寄与したという。

 メルカリJP単独での第2四半期GMVは1544億円で、前期比では276億円を積み増した格好。ただ、前年同期からの伸び率は20%にとどまっており、経営目標に掲げる「通期GMVの前年同期比成長率30%台」の達成とはならなかった。メルカリJPは季節要因によってもGMVが上下する傾向があり、今期は暖冬の影響があったと経営陣は分析している。

メルカリJPのGMV推移
メルカリJPのGMV推移
メルカリJPの売上および利益
メルカリJPの売上および利益

出品キャンペーンで“在庫”を確保、そしてOrigami買収

 同日の決算発表会では、同社の取締役会長である小泉文明氏から事業の概況が説明された。メルカリJPについては、出品量の拡大に向けた施策を推進している。メルカリに出品される量が増えるということは、販売店目線で捉えた場合、“在庫”が増えることを意味する。

 2019年6月期までは、主に購入者に向けたキャンペーンを積極的に展開していたが、そのままでは“在庫”が減り続けてしまう。そこで、2019年10月には「超!出品祭」を開催するなど、出品量と購入量のバランス取りに注力しているという。

購入者向けだけでなく、出品者向けのキャンペーンも拡大
購入者向けだけでなく、出品者向けのキャンペーンも拡大

 また決済事業のメルペイを巡っては、競合サービス「Origami Pay」の運営元であるOrigamiの買収が大きな話題となった。買収が発表されたのが1月23日のため、今回の決算発表に数値などは反映されていないが、買収完了後を見据え、施策の立案などは動き出している。

 「Origamiの買収で、メルペイの赤字幅が膨らむのではないかと懸念される方も多いと思う。ただ、サービス統合によって重複コストは大幅に抑えられると考えられ、第4四半期以降に赤字幅が増えるという事態も想定していない」(小泉氏)。

 メルペイとOrigami Payは将来的に統合する予定だが、加盟店の重複は少ないという。都市部中心に加盟店を増やしてきたメルペイに対し、Origami Payは信用金庫との提携の中で主に地方で加盟店を獲得してきたため、相互補完効果は高いと小泉氏は語る。

Origami買収の狙い
Origami買収の狙い

 メルカリは、Origamiの合併発表にあたって、信用金庫の中央金融機関である信金中央金庫と業務提携を締結。Origamiと信用金庫の関係を、実質的に引き継いだ形となった。メルペイの加盟店開拓に際し、今後は信用金庫の協力も得ていきたいという。

ドコモとの提携効果は? メルカリ米国事業の行方は?

 同じく今回の決算とは直接関わらないが、2月4日に発表されたNTTドコモとの業務提携についても、その狙いなどが改めて説明された。

 今回の提携により、メルカリおよびメルペイとドコモの「dポイント」がIDレベルで連携される。メルカリでの取引額に応じて1%のdポイントを付与するサービスが5月にもスタートする予定。またメルペイとドコモのコード決済サービスである「d払い」でも、残高連携などが可能になるなど、広い範囲で連携。メルカリ月間利用者1538万人、dポイントクラブ会員7345万会員という巨大顧客基盤が誕生する。

 また加盟店の開拓のほか、メルカリ利用法を実地指南する「メルカリ教室」をドコモショップでも展開する計画。顧客ビッグデータを活用したマーケティングサービスについても、プライバシーなどに十分配慮しながら開発を進めたい意向だ。

ドコモとの提携によって、メルカリ利用に応じてdポイントが付与されるように
ドコモとの提携によって、メルカリ利用に応じてdポイントが付与されるように

 メルカリUSは「月間GMV 1億ドル」を目標に掲げているが、短期的には難しい情勢だ。ただし、今期(3カ月間)全体のGMVは127万ドルという状況だが、成長率は前年同期比46%と高い。メルカリUSについては、出品価格の自動提案など機能拡充を着実に実施。ブランド認知拡大に向けたマーケティング面でも、施策の展開を加速させたいとしている。

メルカリ米国事業の目標達成は厳しい情勢
メルカリ米国事業の目標達成は厳しい情勢
利用者拡大に向けたロードマップ
利用者拡大に向けたロードマップ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]