米連邦通信委員会(FCC)は米国時間1月31日、同国の通信事業者の少なくとも1社が、利用者のリアルタイム位置情報の開示に関する連邦法に違反したとみられると述べた。
FCCのAjit Pai委員長は、米議会の一部議員に宛てた書簡の中で、FCC執行局(Enforcement Bureau)が調査を経てこの結論に至ったこと、および違反した事業者は罰則を科される可能性があることを明らかにした。
FCC執行局は、通信事業者が位置情報データを第三者に販売していると報じられたことを受けて、2018年5月に調査を開始した。そうしたデータは、紛失したスマートフォンの位置を特定したり、路上での緊急支援を受けたりするなどの正当な目的に利用できるが、ユーザーのコントロールが及ばない目的に情報を利用するデータアグリゲーターに販売されることもある。
Ron Wyden上院議員(民主党、オレゴン州選出)は、調査開始が発表された際、「米国人の安全とプライバシーに対する移動体通信事業者や仲介業者の怠慢な姿勢が、あらゆる米国人を危険にさらしている」と述べていた。
この発表の1カ月後、一部の通信事業者は位置情報アグリゲーターとの契約を終了すると述べたが、その後、依然として取り引きが続いていたことが明らかになった。
2019年1月、議員らは消費者の位置情報データの販売について再度FCCに回答を迫った。
Pai委員長は31日の書簡で、FCCは自らの規則と米通信法が順守されるよう尽力していると述べた。さらに「今後数日」のうちに他のFCC委員らと協議し、罰金を科される可能性を企業に通知する「Notice of Apparent Liability for Forfeiture」について検討するとした。通知を受けた企業には、回答する機会が与えられる。
FCCのJessica Rosenworcel委員は、次のように述べた。「膨大な数の米国人が毎日、無線デバイスを利用している。これらの人々は、無線サービスを契約する際、自身の携帯電話の位置情報データが売買される契約をしたわけではない。だが、こうしたことが行われているのは明らかだ。FCCは今こそ、責任ある者に責任を取らせなければならない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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