シグナルトークは1月29日、オフィスワーカー向けにワークパフォーマンス改善につながる食事をAIがアドバイスするサービス「Work Up(ワークアップ)」を正式に開始した。
オープンに先駆けて2019年11月からベータテストを行っていたが、ベータ版にはなかった機能として、LINEとの連携機能、生涯収入をアップさせるためのメソッドの追加、UI/UX の改善などを行い、より使いやすくしたという。料金は、月額9800円(税別)。効果が感じられなければ3カ月間は返金に応じるという。
WorkUp AIは、専用アプリを PCにインストールするとカメラやキーボードタッチなどを通して、PC業務のワークパフォーマンスを自動計測し、AI が独自のメソッドにより、パフォーマンス向上に必要な栄養素を含む食生活のアドバイスをする。ワークパフォーマンス測定以外の、AI カウンセリングや各種閲覧は PC、タブレット、スマートフォンから利用できる。
さらには特許取得済の算出方法で、食事がワークパフォーマンスに与える影響を数値化食事が生涯収入に与える影響を具体的な金額で「見える化」することで健康に取り組むやる気を引き出そうというもの。同社によれば、世界初という。現時点ではまずは食事を中心としたシミュレーションで、睡眠や運動などは勘案しないが、今後はそれらも考慮したものにしていく考え。
具体的には、WindowsやMacにダウンロードした専用アプリ(Windows 8、Windows 10、macOS Mojave、macOS Catalinaに対応)を通じて、「キーボードのタイプ数」「マウスカーソルの移動距離」「保存したファイル数」「プログラムの切り替え数」「パソコンの前にいる時間」「笑顔の回数」などを自動的に測定。ワークパフォーマンスを数値化して見える化する。
なお、利用できるPCは現状では1台のみ。職場と自宅など、異なるPCを使っている場合はメインのPCにインストールする必要がある。また、入力したデータや得た映像そのものは送信することなく、叩いたキーの回数や笑顔かどうかを解析した画像結果のみを送信し、プライバシーは保護しているという。
シグナルトーク 代表取締役の栢孝文氏は、「最初は健康を数値化するため、健康偏差値を出していたが、健康偏差値が60ですといわれてもピンとこないし、60が61にふえてもうれしくない。ワークパフォーマンスが向上するということは、普通の評価が受けられれば年収が上がって生涯収入が増えていく。健康になっていくということは、健康寿命が上がり働ける年数が増えていく。それによる生涯収入も増えていくはずというシミュレーション」と説明する。あらかじめ登録した年収をもとに換算し、より健康になって現役で働ける年数が増えることが、生涯年収アップにつながるというわけだ。
栢氏自身の経験で、やや飲み過ぎたと感じた次の日は「一割二割のパフォーマンスダウンかと思ってみると半分になっていることがある。飲み方を加減しようかなと考える」とし、可視化されることで抑制できる効果があると語った。
シグナルトークは、2004年にオンライン麻雀「Maru-Jan」(マルジャン)事業からスタートしており、現在の会員数は120万人以上という。そうした中、麻雀が認知症予防にいいなど健康促進効果が注目されたことをきっかけに、科学的に検証しようと認知症の早期発見ができる「脳測」や正しい健康情報を届ける「my healthy」などヘルスケア事業にも力を入れてきた。
栢氏はこれまで、「こうすれば人は健康になるという正しい情報をたくさん公開しているが、行動いただけない。今日はピーマンを食べようと思っても、それを長く生活に取り入れるのは難しい。情報だけでは行動いただくのは大変だと身にしみてわかっている」と語る。それを踏まえ、WorkUp AIは、かつての経験をもとに結果が見えにくい“健康”を可視化することで行動しやすくした。
また、今後は健康経営を目指す企業向けの法人サービスも開始予定だ。
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